皆がワイワイと、ファッションショーの前のように過ごしている間に、セージは実家のお婆様に会いに帰っていました。
朝早くに出て行って、夜には帰ると聞いていました。お婆様は高齢ですが、足腰は少し弱くなってきていても、頭はシッカリしていらっしゃるとのことです。
高齢は超高齢なので、多分今回の大学院進学の事の報告に帰ったのでしょう。お婆様は教育者でもあった方だそうです。
お孫さん達を見ても、きっととても賢い方だと思われます。古くからの由緒ある家系らしいのです。両親も学者さん御夫婦で、マルベリーさんの双子のお姉さん御夫婦と一緒に、何処だかの国に遺跡調査に行っています。
ご実家はお婆様とメイドさん達だけで居るようですから、きっと大喜びだと思うんですが、彼は日帰りで行ってくるとかなり早朝に出て行きました。
♥~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♥
セージ/お婆さまご機嫌いかがですか?
Nan/あらまぁ、セージじゃぁないの!突然どうしたのかしら?
セージ/元気だった?来学期から、僕は大学進級でなくて、大学院生になれるので、お婆様に知らせたくて!又いつ逢えるか判らないしね。
それから大事な物を取に来たんだ。
Nan/大丈夫よ!私はまだ元気よ。そう、もう大学院生になれておめでとう♪ 今回はとても真面目にお勉強していたようね。
マル達から何日か前に知らせがきたのよ。今までに見なかったくらい、集中してお勉強をしたそうじゃぁない・笑 何か目的が定まったのね。
セージ/うん、そしてね、それは思っていたより急がなくちゃぁいけないことだって気が付いたんだよ。チャンスは今だって思ったから・・・
Nan/そうよ!チャンスの時ってあるのよ。それをつかみ損なうと、次はなかなかそうチャンスって訪れないものなのよ!
タイミングがきたら、上手に掴めば夢が叶いやすくなると思うのよ。それは何においてもね。夢は人それぞれですけれどね...
セージ/それを僕は思い出したんだ。夢をあきらめずに、叶うように一歩近づくには今は勉強することだって!
Nan/それはよかったわね。で、大学院まで行けたんだから、時期だったんでしょうね。あそこの国は自由な国だけれど、その分自己管理がきちんとしていないとならないし、自由って厳しいものですからね。
セージ/それでね、これは以前Nanが僕にくれたダイヤのイヤリングなんだけれど...使い道は自由にして良いかなぁ~。
Nan/もう貴方の物だから、好きにして構わないのよ。カフスボタンに加工しても良いし、何時かセージに可愛いお姫様が現れたら、その子にプレゼントしても良いのよ。
誰に見せても恥ずかしくない上等なダイヤですよ。ですから、ちょっとガールフレンドにだったら、もったいないと思うわよ。
カットが今風の物ではないですけれどね。あらっ!もしかして、お姫様が現れたのかしら? 現れてもおかしくない歳になりましたものね。
私がお爺様と出会ったのはお爺さまが貴方の歳の時ですからね・笑
セージ/うん“誰よりも大好きな人だったんだ!”って、ちょっと前に気がついたんだ。知り合ったのは3年前だけれど、ただ大好きなだけの人かと思っていたよ。
でも気が付いたんだよ。今までにないくらい大好きで、大事な人だってね。その人がいるから、今の大学に行って、今回も僕は本気になろうって思ったんだよ。
こんな気持ちは生まれて初めてなんだよ。だから、その人にプレゼントしたいんだよ。
Nan/側にいる人なのね。
セージ/気がついたら、僕はその人から沢山の心をもらっていたんだ。優しさや、思いやりや、色々なものを沢山ね。そして、その人を想うと心の中に灯が灯ったように暖かい気持ちになって、パワーが満ちてくるんだ。
だから、僕はこのイヤリングをその人がもらってくれて、何時も付けていて欲しいと思ったんだよ。
でも、貰ってもらえるかは判らないんだけれどね。まだ告白はしていないんだ。それに・・・
Nan/それに?
セージ/マルやミント達はきっと大反対して、怒るかもしれないと思うんだ。皆好きな人だけれど、付き合うとなると“常識的じゃぁないって!”
そうかもしれないんだけれど、でもね、けして不倫しているとか、変な相手じゃぁ絶対に無いんだ。
Nan/色々な想いがありそうだけれど、貴方が納得がいくように使いなさいな。貰ってもらえるように、私は応援しているわ。セージの願いが叶うようにお祈りしているわよ!
セージ/じゃぁNan元気で長生きして、僕を応援していてね。
Nan/大丈夫よ!私はセージを信じているから!それじゃぁ遅くなるから行きなさい。今日は逢えてよかったわ♪
♥~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♥
大らかでシッカリしたお婆様がいるって、素晴らしい事ですね。と言う事で、セージ君は流石西欧人で、こういう時はシッカリNanとハグやKissをして、忙しくとんぼ返りで又戻ってきたようです。