エルダーの従姉の一卵性双生児が現れて・・・

９月も中旬近くなって来て、朝晩だけは日に日に秋が深まって来ている様です。でも昼間の太陽はまだ夏のなごりで、かなりパワーが有ります。
でも爽やかで、とても良い季節になのです。大学などは長い夏休みも終わり、ぼちぼち人が集まってきていますし、転入生や新入生は、授業が始まっています。

今日はシャノアールの雑貨屋さんに見なれないお客さんがきています。
とても華奢な体つきの、ブロンドの双子姉妹です。
新入生にしては、ちょっと年齢は高い様ですが、大学院生でしょうかね？

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シャーロット＼ねぇママさん、此処の店にはアートカレッジの学生はやってこないの？

マダムシャノアール＼今はまだ新入生くらいしかいないからね。お客さん達も、新入生だろう？ 見かけない顔だものねぇ。
ルナル＼１０月になれば、もう朝早くから結構いらしてくれているんですよ。　

バーネット＼そうなんですってね。でもアートカレッジの関係者は少ないんですってね。

シャーロット＼そうそう、工学部や医学部の学生が多くて、午後にならないとアートの学生は出てこないって言っていたじゃない？

マーシュ＼こんにちわ、新人さん達。

イリス＼よせよマーシュ、何だよ急に！

シャーロット＆バーネット＼こんにちわ。何処かでお会いしたかしら？

マーシュ＼あなた達オペラ座でアルバイトしていなかった？

シャーロット＼あらっ！していたわよ。そこで会いましたっけ？

バーネット＼まぁ、あなたオペラ座の側のニット工房の店員さんだったかしら？

マーシュ＼そうよ。良く判ったわね・笑　あなた達は双子だから覚えやすいけれど、私は地味に仕事していたから・・・

イリス＼おいおい、何だか偶然話が多いなぁ～。　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　
バーネット＼そう言えば最近見かけなくなったと思ったら、ここに勉強にでも来たの？アートでは会わなかったわよね。

マーシュ＼そうよ、私は彼と同棲するから、夏休みから此処に来たんですもの。

バーネット＼そうなの？　こんなところで会うなんて偶然ね。

バーネット＼私あの工房には何度か買い物に行った事もあるのよ。それで、お顔を思い出したのよ。
とても良いニットを置いてあるからね。でも高くて、なかなか気軽に買う値段じゃぁなかったわ・笑

マーシュ＼今度は私此処の２階のアトリエで、アルバイトするから、良かったら覗いてみて！　とってもシンプルで、良いものが置いてあるわ。　
予約が多いので、直ぐには買えないけれど、良いデザインのものが揃っているわ。　私はタイミングよくウィンドウにディスプレイされたペァルックを彼に買ってもらったので持っているわ。　凄く着心地の良い服よ。

シャーロット＼そうみたいね。パリのブティックにも少し商品が売られて居たわ。

マーシュ＼あらっ、知っていたのね。随分有名な商品だったのね。

バーネット＼むふっ、それほど有名じゃぁないけれど、好きで来ている人をたまに見かけたわ。
何で知っているかって言うと、此処のアトリエで叔母が編み物をしているのよ。

シャーロット＼従弟が大学院生でいるしね。

バーネット＼私は夫が此処の大学に勤めることに成ったので、アートカレッジが併設されているって言うから、もうちょっと勉強して再就職と思って、大学院に転入してきたのよ。

かなり高度な授業を受けられるって言うし、講師陣が良いのよね。何も無くてしっかり勉強するには良い環境だって言うしね。

マーシュ＼そうだったの。この彼も工学部の大学院生なのよ。

バーネット＼あらっ、そうなんだ？　じゃぁ従弟とは知り合いかもしれないわね。

シャーロット＼北欧系は少ないって言っていたから、知っているんじゃぁないの？エルダーって言うスキニーな子よ。ブロンドで・・・

マーシュ＼ねぇイリス知っている？

イリス＼あぁ～、同じプロジェクトで研究しているよ。

マダムシャノアール＼なんだ、エルダーの従妹なんだ。彼は仲間と時々やってくるよ。モテ男だった奴だろう？

バーネット＼あらっ、相変わらずガールフレンドを何人も引き連れて歩いているの？余裕じゃぁないの！

シャーロット＼叔母様が嘆くはずだわ。　お説教してやらないとね。

マダムシャノアール＼あんた達はフランス人じゃぁないよねぇ～。

ルナル＼北欧系じゃぁないの？

バーネット＼そうよ。父方の従姉だから、私達はスエーデンなのよ。
叔母のサフランは元は北欧じゃぁなかったんだけれど、結婚してスエーデンに来た人なのよ。

マダムシャノアール＼アトリエじゃぁないけれど、この上のCafeにも北欧出身の移住者がいるよ。　彼女はスエーデンだったかしらね？デンマークだったか忘れちゃったけれど・・・

　
マーシュ＼じゃぁ結構身近で、この夏は人が増えたのね・笑　今此処にいるだけで３人ニューフェースですものね。

マダムシャノアール＼じゃぁあんた達は２年間アートカレッジで勉強するんだね？くれぐれも問題を起こさないで欲しいね。

シャーロット＼そのつもりよ。宜しくね。何で問題を起こすと？起こした学生がいるの？

マーシュ＼えぇ、異性問題が奔放で、今一つ評判が良くなかったそうよ。

バーネット＼まぁ、それで転入試験の時、色々と言われたのね。　推薦状持って来ているのに・・・
私は夫がいると言うのに、色々聞かれたわ。

シャーロット＼まさかエルダーが、じゃぁないわよね？　アートの学生が退学になっているって聞いたけれど・・・

バーネット＼私達はそんな問題は起こすわけないわよ。奨学金で勉強したいし、ヨーロッパの大学の有名な教授が講義に来て授業受けられるっていうのに。。。ひたすら真面目に勉強だわ。

シャーロット＼そうそう、退学になったらペナルティも有るし、全額授業料を払らなくちゃぁならないんですから、ここは普通だと授業料がかなり高いのよ。

マーシュ＼あらそうなの？じゃぁ優秀な学生が多いのね？イリスもよね？

マダムシャノアール＼そのはずだよ。本来はね。時々外れているのもいるけれどね。
でもそこそこちゃんとやっていたら、此処はとても良い所だよ。

マーシュ＼でもみんな偉いのね。シッカリ勉強しようなんて・・・プロになるつもりなのね？
大学院生だと２２？３歳くらいかしら？私と同じくらいよね。

バーネット＼２５歳よ。私の国では税金が高いから、結婚してもシッカリ働くし、女性だからって職場での差別はないのよ。

シャーロット＼昔はね、良く言われるように、女性は家庭に入ってみたいな風潮も有ったらしいけれど、
１９００年代に起きた国際女性権利大会の影響で、各国次々に運動が広まり変わって行ったのよ。私の夫はＵＫだから、又ちょっと違うけれどね。

バーネット＼イプセンの『A Doll ' sハウス』よ。でも実際はちゃんとした社会になるに大分かかったのよね。

マーシュ＼私には難しくて良く判らないけれど、取りあえず税金は高いけれど、社会保障は充実しているんでしょう？

シャーロット＼まぁ、何処の国でも同じでしょうけれど、悪くはないかもね。問題はあるわよ！

マダムシャノアール＼でもあんた達は、よく勉強していそうだよ。頭が働けば、どうする事が、良いか悪いかくらいは判るだろうからね。問題は起こさないでしょう。
全く一番困るのは、頭が良いつもりでいる奴なんだよ。

バーネット＼一応第一の目的は勉強しに来ているんだし、それも奨学金を出来たらもらいたいんですから馬鹿な事はしないわよ。

シャーロット＼その国に来たら、その国のルールを守るくらいの頭は有るつもりよ。

マダムシャノアール＼それさえ判っていれば良いんじゃぁないのかね。やたらに硬い事ばかり言っている訳じゃぁないんだから！

マダムシャノアール＼ところでアンタなんて言ったかしら？アトリエでアルバイトは出来るようになったのかい？

マーシュ＼マーシュです。お陰様で、宜しくお願いいたします。
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そんな事で、誰も知りませんでしたが、エルダー君の従妹達がアートカレッジの大学院に転入してきたようです。南の学生寮に数日前に越して来たそうですよ。
エルダー家は皆ほっそりとした、人が多い家系なんですね。彼女たちも、かなりほっそりしたスタイル抜群の女子学生達です。

北欧出身と言うと、さすがに愛の国フランス人のマダムシャノアールも、用心するようで・・・まぁたまたまだったようですが、皆異性には非常にラフな感覚だと思ってしまわれているようです。