ライモンさんの病室訪問に・・・

昨日はDr.ローソンからのメールで“ライモンさんが寂しそうだから遊びに行ってやって欲しい”と言うものでした。Mrs.Sugarの事がお気に入りのようなので、夫婦で遊びに寄ってやって欲しいと.....

“えぇ～！”と思ったセージ君ですが、ライモンさん自体は子供時代のパーティ仲間で、嫌いな相手ではなかったのです。
問題はライモンさんは２歳位年上の年頃でも有ったし、家柄や立場やも良く、見た目もなかなかのハンサムさんです。性格も明るくて、悪くはありません。

当時はセージ君の方は歳下のまだ大人にはなり切れない、思春期でしたのでプレィボーイの心理が今ひとつ理解出来ませんでしたけれど、遊び仲間としては付き合いがある同じグループの仲だったのです。

しかし、今はMrs.Sugarに余り興味を持たれたり、馴れ馴れしくして欲しくないのです。先日はリヴェール教授も釘を刺してくれたから、人の物にはチョッカイは出さないでしょうが...。女性好きは変わらずのようですし、こればかりは良い家系だからと言って、変わるものではなさそうです。

でも気軽に話せる相手なので、今日はもう一度駄目出ししておかなくてはと、一緒に訪れる事にしたのです。却って逆にMrs.Sugarが親しくなったほうが、巧くあしらえるだろうと思ったのです。

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ライモン《やぁセージ！Sugarさんも一緒に来てくれたんだね🎶助かったぁ～。

セージ《何だよ。せっかくの冬休みに...ゆっくり休んでも居られないよ。何か有ったのかい？入院したって言っても、凄く元気そうじゃないか。

Mrs.Sugar《こんにちわ！初めまして...。お加減如何ですか？

ライモン《何か有れば来てくれなんていわないよ。まったく何も無くてさぁ～。TV見るのも飽きてきちゃってね。ショッピングセンターに、髪を切りに行ったくらいだよ。
少しはイメージが変わっただろう？　せめて鏡に映る自分が変化でもしないと、冗談でなく、静養生活なんてしてたら、絶対に病気になって死んじまうよ。

話したくなるような人は、休み中は代わりが居ないからって、遊んでくれないしさ。
ナースも用事が済んだら、人手が無いからって居なくなっちゃうし、何だか退屈通り越して、凄～く寂しくて、本当に病気になりそうな気分になってきたんだよ。

Mrs.Sugar《まぁ、病気になりそうって、病気だから入院されたんでしょう？

セージ《ライモン、本当に心臓が悪いのかい？見た目全然何処も悪そうには見えないぜ？急に悪くなるものなのかなぁ。あんなに活発に遊びまわっていたんだぜ？

ライモン《まぁ２人して立っていないで、座って話し相手になってくれよ。本当に心臓発作は起したんだよ。でも原因の１つはストレスだとも言われたんだ。

一時これでも公務みたいなものが多くてさ。凄く忙しかったんだよ。

セージ《公務って、別に殆ど君が大公に成る事は無いって言ってなかったっけ？万が一の為の５番目くらいの位置だとかって！だから、気楽にパーティの時は遊んでいたんじゃぁなかったっけ？年中デートとかしてね。

ライモン《だからって、制約があってね、好きな仕事とかにはつけないからさ、国営の金融関係の会社に勤めていたんだよ。

もうサイバー関係問題なんて、随分前から始まっていて、うちの国はターゲットにはされていなかったけれど、結構身近な所では被害にあったりしていたんだよ。

セージ《へぇ～そうだったんだぁ～。随分真面目な職場だったんだね？大学入ったんだろう？　じゃぁもう大人になってからは、パーティで遊んでいるような訳には、行かなかったんだね。

ライモン《パーティは営業用に出席はしたよ。でもセージ達と遊んで居た時とは、立場が違ったからね。此処だけの話だけれど、取引がある有名企業などランサムウェアの被害に遭って、お金を払ってしまったものだから、どのように対策とっても一時凌ぎで、もうどうする事も出来なくなってね。
結局は大昔のように戻して、ネットは一切使わない事にした所もあるんだよ。

Mrs.Sugar《あらぁ～大変なのですねぇ～。お客様にまで迷惑かけてしまいますものね。経営難になってしまいますね！

セージ《顧客相手のビジネスだと、大変だよなぁ～。そうかぁ、噂で聞くよりも、現実は結構酷いものなんだね？　この国も対策は強化したって聞いたけれどね。

ライモン《お客さんは昔からの上得意様ばかりだから、徹底して面倒かも昔ながらにしてしまったら、却って信用を増して、まったく問題はなかったそうだけれどね。
１回でも身代金はらったら、絶体絶命のようだよ。

セージ《そら又大変だなぁ～。そうかぁ～、ライモンの国は精密機器と金融が経済の主たる収入源だったっけね。何だか狙われやすそうだなぁ～。　

でも凄く小さい国だから良かったのかな？それで、ライモンは精神が鍛えられていないから、ストレスで心臓病になったのかな？
女遊びが激しい方が、心臓には良く無い様に思うけれどね。違ったんだぁ？

ライモン《なんて事言うんだよ。女遊びはストレス解消だろう？　仕事も真面目にやっているのに、ずっとサイバーセキュリティ対策の勉強もしたりして、へとへとだったんだよなぁ～。途中までは大学生なのに、仕事見習いもしていたんだよ。

そうしたら、胸が苦しくなって倒れちゃったんだよ。それで精密検査したら、先天的に、心臓の何処かの機能に不都合があるらしくてね！

Mrs.Sugar《まぁ、私も一寸心臓の調子が悪かった事があって、薬を持ち歩いているのですよ。

セージ《でもSugarは、最近はまったく痛くなくなったんだよね？一寸気には掛けていないとくらいでね。此処に暮らすようになったら、アレルギーも良くなったんだよね。
ライモンも環境が変わったら、良くなるんじゃぁないの？

ライモン《へぇ～そうだったら、嬉しいなぁ～。Sugarさんにも同じような病があるなんて聞くだけで、仲間が居て嬉しいよ。

セージ《そんなところで、喜ぶなよ！調子が良いのが同じなら良いけれどさぁ～。Sugarの場合は、先天的に悪い訳ではなくて、普段は何処も悪くはないんだよ。

安静時にたまたま、心臓の血管が痙攣起す事があるらしいんだよ。原因は不明でね。でも疲れたりストレスは関係するかものようだよ。

Mrs.Sugar《もうね、気にしないのが一番なようですよ。私の場合はね！年齢的にも、消費期限は切れてきているんですからね・笑

皆何処かは弱い場所があったりするのですから、なるべく楽しく暮らす事しか考えていませんわ。命は限り有るのが、普通ですからね。

ライモン《いいなぁ、そんな風に思えるなんて！　でもそう思わないと楽しく暮らせないし、クヨクヨしても解決もしないしなぁ～。
何だかやっぱり話していたら、凄く気が楽になってきたよ。

Mrs.Sugar《そうですよ。困ってから困ればよいのだとおもうのですよ。一応心に留めて置くくらいでね！

私なんてこの数年、気をつけている症状以外の、関係ない事故や病気になったりして、セージに看護してもらったんですよ！　

セージが名看護士で、私の年齢からしたら、吃驚するくらい早く快復したんですよ♪　実験的な治療法が良く効いてね。本当に駄目な時は、どうやったって駄目でしょうね。

セージ《そう言われるとね！何処も何とも無い俺が、突然事故とかに遭って、一番早く死んじゃったりもあるからさ、あまり気に掛けないでのんびり過すんだな。
良いじゃぁない、今は痛くも苦しくもないんだから！

ライモン《もし、セージが事故とかそんな事になったら、後の事は心配するなよ。僕がSugarさんの面倒みるからさ。大事にするよ。

セージ《バ～カ！せっかくの心使いだけれど、俺は死んでも絶対に死なないからな！誰がSugarをライモンになんて渡すものか！　

まったく相変わらず考えがクレイジーだなぁ～。油断も隙も無い奴なんだよ。女好きは相変わらずなんだね。

Mrs.Sugar《Ahaha、、、まるで、２人とも子供に戻ったような会話の仕方ね。

ライモン《Ahahaha、、、本当だよ。いいなぁ～、セージがいる所に来て良かったよ。ちょっとした話から、まさかかもだけれど、もしかしたらメディカルブレスレットの発案者の名前が、セージと同じだったからね。

セージ《他の事はライモンは良い奴なんだけれど、何であっても俺のものには指一本触るなよ。大体なんでも昔から、人の物うらやましがるんだよ。
何でも幾らでも、買える身分だって言うのにさ。信じられないよ。

Mrs.Sugar《本当に！足りないものなど、なにもない身分なのでしょう？

ライモン《セージはさ、お金で買えない物で、良い物をもっているんだよ。大概のものが、みんな彼の手が入ってカスタマイズされて凝っている物でさぁ～。

絶対に世界中探しても、手に入らないオリジナルのものばかり持っているんだよ。やたらにピッカピカのメダルとかさ。
世間一般から見たら、かなり上等で良い物でも、気に入らないんだよね。注文が多くて妥協しない、贅沢な奴なんだよ。

Mrs.Sugar《ピッカピカのメダル？そんなの持っていたの？見た事ないわよね。

セージ《うん、今も俺の部屋だった所の金庫に入っているよ。何代か前の爺さんが貰った勲章でさ、俺がデザインが気に入って、磨き上げた物なんだ。

たまたまライモンがうちに遊びに来た事が有って、見せたら凄いほしがってさ、人の部屋の中見回して、いちいち欲しがるんだよな。
とても身分が高い家柄の者とは、思えないんだよ。

ライモン《だって、誰も持っていないものだし、お金を出せば買える物は、それなりなんだよ。セージは凄く魅力的な物を、多くはないんだけれど持っているんだものね。

Sugarさんセージの育った部屋に、行った事あるでしょう？

Mrs.Sugar《えぇ、泊まっても来ましたよ。タイムカプセルで過去の世界に戻ったみたいな部屋でしたわ。
昔の絵本で見た様な、本格的な天蓋付きベッドなのよね。それはそうよねぇ～よく手入れして使う習慣の国ですものね。何か宝が眠っていそうな部屋よね・笑

セージ《あのさ、ライモン絶対にSugarには指一本でも触るなよ。本当に怒るからね。３メートル以上は近づくなよ。油断も隙もないからね。
親しくなったからって、ハグなどするなよ。Sugarは習慣が違う日本人なんだからね。

ライモン《判ったよ。だから、ここに居る間は又仲良くしてくれよ。そうしたら、この国はとても良い国だと思うよなぁ～。

なぁ、セージそれで、何時もどんな暮らししているのかい？　仕事以外の時はさ！もう卒業したんだろう？スキップしたから、この国では一番若い研究員だって聞いたよ。まだティーンエイジャーだったっけ？

セージ《今年の夏になれば成人だよ。ティーンエイジャーって嫌な言い方だなぁ。休みの日は普通にTVみたり、Sugarとゲームしたり、お茶飲んで話をしたり、日光浴したりのんびり過してるよ。

今日も本当は２人で思う存分イチャイチャしようと思っていたのにさぁ～。呼び出されて仕方なく来たんだよ。

Mrs.Sugar《むふふふ、、、冗談ですよ。　日本のアニメ番組やネットラジオの音楽聞いたり、私に付き合って日本のTV見たりが多いですね。

後はセージは本も良く読んでいるんですよ。この国の図書館は物凄く充実していますから沢山借りてきてありますから。卒業は決まりましたからね。

ライモン《まんざら冗談でも無さそうな顔しているなぁ～。あぁ～もう休みの日は、イチャイチャしそうな感じがしたら、邪魔したくなるところだったよ。
図書館かぁ～今度行って見るよ。少し本でも久しぶりに読んでみようかな！

セージ《そうだ、落着いたらさ、ライモンも自分でパーツを選んで、自転車作ったら？俺はちかいうちに自転車を組み立てなおすんだよ。　
エルダーって友達も、俺の自転車みたら、自分も注文して作るって言っているんだ。

ターナー先輩とかに言って、その内サイクルルームに連れて来てもらったら？この部屋は病室だけれど、新しい自転車なら汚れないだろうから、此処で作ったら？

何時退院するのかい？好きな事していれば、あっという間に半年や１年は経ってしまうぜ。

Mrs.Sugar《あらっ、そんなに自転車作るのって、時間がかかるんだったの？

ライモン《何だか凄く難しそうだよね。機械物なんて触った事もないからね。自転車は持っているけれど、子供の時以来乗った事もないしね。

Mrs.Sugar《まぁ～お気の毒ですねぇ～。自転車に乗るのって、凄く気持ちが良いんですよぉ～。おうちが良いと、あまり自由ではなさそうですね？可哀想だわぁ。

セージ《本当に！ライモンって可哀想なんだなぁ～。良かった！俺そんな家に生まれなくって！でも仕方ないよね。そういう家に生まれたかった人も、居るだろうしね。

好みもあるだっろうし、食べるものに困っても、自由に暮らしたい方を選ぶ人もいるし！　でもさ、大体は希望通りには、最初からならないもんだよ。
自分でやっぱり苦労して、好み通りになるように模索して、手に入れないとね。

ライモン《何だよぉ～似たもの夫婦なんだなぁ～。うらやましがられた事はあっても、お気の毒だなんて言われたのは初めてだよ。

でもさ、本当に普通に付き合ってくれたのは、セージ位かもしれないよ。自転車つくりかぁ～。まだ暫くは此処で暮らすようだから、考えてみようかなぁ～。
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数時間ライモンさんの部屋でお喋りして、帰ってきました。ライモンさんも大分気分転換出来た様で、近いうちに、図書館で本を借りて色々読む事にしたようです。
結構、ライモンさんとセージ君はおっとりして、似たような雰囲気をもっているので、仲が良い感じがする友達だったようです。

セージ君曰く、彼は女好きなのだけが問題ありなのだとか・・・笑　後は穏やかだし、なかなか面白い性格で楽しい相手のようで、いかにもお育ちが良いと言う雰囲気でもあります。

“見かけよりもずっと頭も良い”とのセージ君評価でしたが、Mrs.Sugarの感じた印象も、確かに秀才には見えませんが、頭が悪そうにも見えませんでしたし、女好きだと言うけれど、上品な感じの人でした。

この国の人達は、見るからに頭が良さそうな人が多いからかもしれませんけれど、比較しては気の毒ですが、此処の国民の雰囲気ではありません・笑