今日はいよいよセミナーの日です。

何とかセミナーの準備が整いました。８時から始まるのですが、イリスが一番遅れて会場にはいりました。ぎりぎりまで、資料を見てなるべく多くを暗記して置かないと、質問された時に答えられないと困ります。

フランス語は話せますが、専門用語も暗記して置かないとですから、日常会話とは又別物です。しかし、出席者は内々の者ばかりですが、イリス君は親しく話した事がある人が少ないのです。

何時もアンジェがくっついていましたし、その前は又付き合っていたガールフレンドとか、ちょっと気難しそうなハンサムに見えるのも、声をかけにくい雰囲気だったのが、知らない人達には、自信家に見えたようです。ですから、遅れて出て来たのも貫禄で余裕十分に見えたようです。
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イリス《お待たせいたしました。皆さんパネルに貼ってある写真や説明文を見てくださいましたでしょうか？資料の冊子もお渡ししたかと思いますが！

リヴェール教授《なかなか判りやすく、よく纏まっているよね？Dr.マリアンヌにも大方わかったでしょう？

Dr.マリアンヌ《えぇ、おおよそね。若い人ばかりの小さなチームなのによくやったわね。却って協力しながら、纏まって出来たのかしらね。

イリス《此方の箱に入れてあるレギンスが、元々はリハビリスーツのオールインワンとして、技術開発したものなのですが、これもご自由に手にとって見てください。

オールインワンは試着して実験した結果、今のところどうしても必要な患者さん専用と言う事にしまして、これからももう少し、改良するかもしれません。

でも一応完成品です。どれも仕上がりの感じが違うように仕上げてありますが、機能その他は同じものです。

イリス《端的に説明を進めていきますので、何か質問があるかたは、後ほどお受けいたしますので、説明を進めていきます。

Dr.ターナー《（おい、イリスは一応まともにフランス語で説明できているじゃぁないか・笑　少々堅苦しいけれどな！初めて彼のフランス語を聴いたぜ・クッククク、、、、やれば出来るんだよな。）

セージ《(ターナー先輩、皆に聞こえちゃいますよ。それこそポーカーフェィスで、俺達は当然任せきり見たいな顔していないとね。今後あいつがリーダーでやっていくんだからね。将来教授になりたいって言うんだから、顔を売っておかないとね）

イリス《一応数作品のっ研究開発以外に、パネルを見ていただくとお分かりかと思いますが、診療所や病院の治療室で使われているガーゼや包帯や、その他の小物類の開発もしております.

検査技師アレン《今後は検査室で使う小物道具なども、色々工夫してくれるそうだよ。Dr.マロウなどはオペ用品を頼めるんじゃぁないすか？

Dr.マロウ《そうだなぁ～。最新デジタル機器もだけれど、そうでない物は欲しい道具はあるんだよな。昔ながらのオペ用品を使うことも増えそうだからな。

Dr.マリアンヌ《あの手描きスケッチみたいなのは、セージ君作のプランみたいね・笑　何だか手描きの物みると、ホッとするのが不思議だわ。

リヴェール教授《僕はね、ああいうの好きなんですよ。発案者の工夫とか情熱が伝わってくるようでね。PCで打ってしまえば綺麗で早いだろうけれどね。

余程巧い表現で書かれていないと、読む気がしなくなってくるときがあるんですよ。年中資料などの、活字ばかり読んでいますからね。

イリス《リハビリスーツは、手にとって見ていただくと良く判るかと思いますが、薄い筋肉と同じような感じの布で出来ているんです。

各筋肉の動きに合わせて伸縮する様に、細かく繊維を選んで、継ぎ目をなくして１枚の布仕立てしてあります。

エリオットマネジャー《何だか凄く不思議な感触がする布で出来ているんだなぁ～。こんなのは初めて触ったよ。

イリス《それから完全にもう使用されているのは、リハビリシューズで、ドクターの中には、もう何人かがはいてくださっています。

患者さんにも使用してもらっています。足首までしっかり固定されていますが、履いて暫くすると体温で温まり、足全体を柔らかくしっかりサポートしてくれます。

かなり軽量化されていますから、とても楽だと思いますし、高齢化による足のアーチがしっかり保てなくなっている場合も、一番良いと思われるように底に工夫がされていますので、疲労度が軽減されると思います。

これも足を採寸して作りますので、正しい姿勢で歩けるようにサポートする靴です。えーとですね、図解された物は資料に描かれていますので、見ていただくと解りやすいと思います。
更に専門的に質問がある時は、此処にいるセージがとても若い開発者ですので、本人に聞いてください。

カイザーセラビスト《あぁ、それは良い靴だよなぁ～。まずは転倒しにくく、しっかり足の裏が支えてくれたら、良いものなぁ～。

あれは、俺も前に見たから、ちょっと履いてみたかったんだよ。

Dr.トーマス《あの靴はもう結構前に、僕は仕事の時は履いているけれど、なかなかだよ。今までは疲れてくると仕事が終わる頃は、足先が上がらなくなってきていたんだけれど、それがなくなってきたからね。

セージ《靴が形状記憶するようにしてあるから、疲れて足先が上がらなくなったときにはサポート機能が働いて、理想的な状態にしてくれるようになっているんだよ。

Dr.マリアンヌ《見て、あの治療室の隅に写っているのは、私よ！何時撮ったのかしら？まぁいい塩梅のお肌に取れていて、Ohohoho、、、、

リヴェール教授《おや、かなり若く見えるよ。気が付かなかった位だよ。

Dr.マリアンヌ《まぁ、貴方妻を見落とすなんて！そんなに若く見えるように撮れているかしら！写真は年齢が出るから嫌なのよね。変に撮れていたら、訴えてやるところだわ。でも許せる範囲ね。

モーリス学長《我々はやはりフランス語が楽ですなぁ～。英語も見慣れて居るけれど、母国語のセミナーは嬉しいですねぇ～。

Dr.マリアンヌ《そうよね。もう大概は英語ですし、けっこうドイツ語も多かったりするのよ。フランス語は嬉しいわよね。セミナーなどは親しみがわくわ。誰のアイディアかしら？

リヴェール教授《ちょっと今回は頼んで直して貰ったんだよ。本当はスイスやフランスから何人か参加予定だったからね。天候不順で来られなくなったけれどね。

イリス《後はMRSと言うウエラブル端末機のブレスレット型が完成して使い始めていますし、まだほんの基本形ですが、めがね型の端末機が出来ています。

これは今後もう少し機能面を開発して、色々に使えるようにしたいと思っています。
エネルギーの研究も今出来るだけノーエネルギーで使えるように開発中です。

緊急での開発ではBabyスイミングが始まるので、その水着の開発を急ぎで行っています。

エリオットマネジャー《ほらこのグラフがMRSブレスレット型ウェアラブルデバイスをつけたときに、PCに設定しておけば、何処でも付けた人の状態が判るように、メディカル情報が入っているんですよ。

提携した病院なら、旅行先で具合が悪くなっても、直ぐにデーターが送られますから、余計な検査などが減りますね。どのように変なのかも判りますからね。

モーリス学長《それは助かるよねぇ～。日頃のデーターがわかると助かるものなぁ～。Babyスイミング用にBabyのブレスレットなんていうのもあると良いかもしれないですなぁ～。

イリス《解りました。それも検討してみますね。一応全て、まだこれから開発は続けて行こうと思って居る者で、基本が出来上がったので、上層部に上げました。
MRSブレスレット型ウェアラブルデバイス、リハビリスーツ、リハビリシューズの開発、MSLのソフトの研究、メガネ型ウェアラブルデバイスＨＭＤも「ゼーベック効果」を利用して発電する「熱電素子」の研究を今後も継続して開発していきます。私達の開発プロジェクトが他とは違う所は、『不必要な時には、サポートはしない』と言う事です。

リハビリの本来の目的は、自力でトレーニングして、元の暮らしに戻るのが基本と思っています。ですから、十分なサポートはしないようにしてあります。

でも辛すぎるのはストレスになりますし、自宅に戻ったらリハビリをしなくなる人も多いと、聞きましたので、その辺りの心理的なものを工夫しています。

え～と以上で、主な説明は終りますが、何か質問がある方は挙手してください。担当研究員も揃っていますから可能な限り返答出来ると思います。本日は内々の方ばかりなので、何でも聞いてください。

リヴェール教授《今後は指示が無い限り、フランス語でのセミナーにしようかねぇ～。こうしてみると、フランス系が多くないかな？

後は場合によってはドイツ語か英語だけれど、大概は英語が多いから、違う言語では何だかフレッシュだよ・笑

君がリーダーでやっていくそうだね？えーとイリス君だったね。セミナーのプランなど宜しく頼みますよ。医学部もやるからね。みなで積極的に参加しましょう♪

イリス《はい、提出物など私が最終チェックをして、私の名前での提出になります。

リヴェール教授《このレギンスは、明日だったかな？『美と健康の為の食事』の講習会の時に、皆に配るからね。

講習の後には、エクササイズのインストラクターからの、指導もあるから、早速みなで使ってもらって、リポートも出してもらえるな。

リヴェール教授《セージ君、申し訳ないけれど又Sugarさんに、仕事頼む事になるけれど、宜しく頼むよ。
隔週２回、アートカレッジの服飾科の中に、医療用の服の科を増やしたから、そこで講義をお願いしたいんだよ。ミントさんと交代でだから、毎週にはならないからね。

時間の調整をしてもらえるかな？

セージ《判りました。何か２人で相談していたようですから！

エリオットマネジャー《男女関係なく、障害があるからこそ、着易くてお洒落な服を着たら、精神的にかなり良いだろうからね。これからは、院内も余り病院ぽくなく、ちょっとインテリアなど手を加えようと思っているんだよ。

それも工業デザイナーのクローネ研究所員と、Mrs.Sugarはむしろそちらが、専門だったろう？余り負担はかけないようにするから、アドバイスして欲しいんだよな。

ってだんだん仕事が増えてしまうけれどね。わざわざ外部に頼まなくても、出来る人が揃っているんだよね。教授の理想のマルチ人間が多ければ、ベストなんだよな。

イリス《それでは、これで私からの説明は終りますが、後は自由にパネルや資料をごらんになって、質問も担当研究員に直接聞いてください。

セージ《クスクスクス、、、、何だよイリスの説明って、本当にそのまんまじゃぁないか、少しは色付けして説明かと思ったらさぁ～。皆勝手に話しているしさ。

そういえばさ、さっきニュースで米玩具専門店トイザらスの創業者が22日、死去したんだってさ。94歳だそうだけれど、元々は自転車小売店だったのが、あの会社まで発展したんだけれど、昨年9月に破産したんだよね。

今年3月に入って英国で全店舗を閉鎖すると発表したのにさ、何もかも終わったって感じだね。ネット通販に押されての結果とも聞いたけれどね。

それでさ、大セールをやるらしいんだけれど、本当は玩具など買って置くと良いのにね？　Babyがこの国にも増えてきたし、小児病棟などでも使うんでしょう？

Dr.ターナー《そうなのかい。まぁ安く買えたら買い得だけれど、買いに行ってそれをテロに狙われるって事もあるかもしれないからな。

ただ玩具屋は見るのは楽しいよなぁ～。凄い人出じゃぁないか？まぁここでは、なければ工夫して作れば良いだろうからさ。

おい、見てみろよ。ふふふ、、、。イリスはホッとした顔しているぜ。１回目で、皆の前で話すのに慣れてくれれば、今回は上等だよ。

イリス《はぁ～、ややこしい事聞かれなくて良かったよ。俺専門用語覚えたの全部使っちゃったからなぁ～。日常会話は良くても、語学の勉強しなくちゃぁなぁ～。

後はドイツ語かよ。苦手なんだよなぁ～フランツに教わらなくちゃぁね。ブツブツ。

Dr.ターナー《イリスは何ブツブツ言っているんだい？どっちにしても、やっぱり立場が変わっても、暫くはセージやエルダーがご苦労さんだな！

今日は本当に内輪だけで、皆適当に雑談もしている位だから、イリスは気が楽だったんじゃぁないかな。

セージ《エルダーがかなりサポートしてくれて、助かったよ。考えたらさ、スエーデンってかなりサイエンス国家なんだよな？

エルダーが、沢山専門用語のフランス語知っていてくれたんで、凄い助かったよな。
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何とか無事に初セミナーは終りました。後は本当にイリス君をみなでおだてたりしながら、言語の勉強と皆が研究している事を、理解して説明がスムーズに出来るように、トレーニングしてもらわなくてはです。

中にはかなり色々質問するのが、生きがいのような研究員も参加してくるでしょうしね。行き来が不便な今のうちに、内部でセミナーやパネルディスカッションやを積極的にやって、イリスばかりでなく、活発に他部門の研究開発したものの知識も得ると良いでしょう。

特に医学部のセミナーなどには、参加もしたいとセージ君は思いました。知りたい事がいっぱいあるのです。
彼にとっては、研究開発はけして嫌いなことではない仕事です。リヴェール教授の言うとおりに、それを実際に使うかどうかは置いておいて、人は新しい物を、どんどん開発したくなってしまうもののようですからね。