ライモン君達はホテルに落ち着きました。

ライモン君たちは週末にやってきて、ホテルの部屋に落ち着きました。　焦ることなく、少し落ち着いたらペントハウスに工務店に入ってもらって、大使館らしい部屋に改造です。

国営ホテルですから、許可が下りれば即着工です。工務店の人と打ち合わせて、図面を提出して・・・

ライモン君とボディガードかねて事務官のワイス君が大使館奥にプライベートルームを作る事になり、秘書のエーデルさんと料理人兼事務補助員lプリメルさんの４人がやってきたのです。

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ライモン《う～ん。何となく落ち着いたかな？皆はまだ慣れないだろうから、工務店の工事が入るまでは各自好きに過ごそうよ。

病院からその奥の北側の住宅街は、国民以外は一応立ち入り禁止地区なんだよ。誰かが通報したら警備員が飛んでくるからね。

エーデル秘書《北側は何か特別な区域なのですか？

ワイス事務官《確か、第一期くらいに移民した人たちの居住区ですし、病院や大学関係の役員宿舎などがある地区なんですよ。

後からの移住者や職員などは、こちらの飛行場側の南側ブロックに住んでいるようですよ。

プリメル《飛行機から見えましたが。病院周りはかなり深い森に囲まれた高地のようですね。

ライモン《うん、その深い森も、もう何十年もかけて手を入れて作った森のようだよ。森が城壁代わり、国境になっているから、迷い込んだら、でてくるのは大変なようだよ。

でも風が巧く通るように造園屋が計画立てて、手を入れたそうだよ。

エーデル秘書《意外と厳重なのですね。

ワイス事務官《それは軍隊も警察も無い国だからね。やはり守りはかなり堅いでしょうね。

プリメル《うっかりしたら、国境を超えてしまう場合もあるのね？

超えてしまった国によっては、そちら側が煩い事になるんですね。

ライモン《此処みたいに徹底して小さな弱小国は、隣接している国々にお願いしているからね。何かあれば問題がややこしくなるから、却って安全だと思うよ。

ひたすら学びたい人中心の国ですからね。後は協力なコネクションが無いと、病院に入院も出来ないし、通常は見てもらえないんだ。国民は診療所があって、何時でも、見てもらえるし、無料だそうだよ。

エーデル秘書《でも緊急時のヘルプは基本戦争などが絡まない病人なら、何処の国であっても、ドクターヘリで助けに行くそうですよ。

素晴らしいドクターヘリが数機あって、余程複雑でなければ、中でオペも出来るそうですね。

ワイス事務官《優秀なドクターが揃っているようですからね。

確か全員が総合医療のドクターではないでしょうか？丁度良い年齢の若いドクターが多いのですよ。

プリメル《まぁ、でもそんな病院の有る国の大使館なら、ライモン様のような持病がある方には、心強くて良かったですわねぇ～。

ライモン《運よく昔の遊び友達が、研究所にいたからね。フランネル財団次期会長にしつこく頼んでよかったよ。たまたま見せてもらった、ブレスレット型ウェラブル端末機を見せてもらってね。

で、話していたら開発者は、凄く若いまだ大学院生だって言うので、へぇ~って話していたら、ふと名前を聞いたら、僕の知り合いの名前と同じだったんで、ちょっと記憶に残っていたんだよ。

ワイス事務官《あのセージ君だったんですね？それで、オーストリアの病院を断って、こちらにお願いしたんですね。

同姓同名で別人かも知れないかもしれないのに！
又逢えてよかったですね。彼はどんな大人になっていましたか？

ライモン《あぁ、セージは元々明るくていい奴だったんだけれど、想像以上に素敵な男になっていたよ。カッコよかったし、まだ２１歳なのに、結婚して居たんだ。

ワイス信じられるかい？あのセージが、人生を変えるくらい勉強しまくって、此処の大学に入学したんだ。あのままでも、全く問題のない暮らしなのにさ。

この国で大好きな人に出会ってしまったんだよ。まぁ、プライベートでは昔と変わらないかもだけれど、凄く男っぽくて素敵になっているよ。

体が大きくなって、ワイスは逢ったら吃驚するよ。僕よりもずっと背が高いんだよ。

エーデル秘書《でも、もの凄く年上の方と結婚なさったんでしょう？そんな素敵なら、いくらでも歳相応の相手が居るでしょうに......

プリメル《そうですわねぇ。でもお歳を聞いてから、お付き合いを始めるなんて言う事は有りませんものね。

ワイス事務官《セージは凄く拘りやだからね。徹底して自分好みでないと駄目なんだよ。きっとその人は、セージの好みを満たす人だったんだろうね。歳は最低条件じゃぁないの。

エーデル秘書《ライモン様お会いなさって、お話もなさったのでしょう？

私も少しだけお見かけしましたけれど！

ライモン《あぁ、確かに若い人ではないけれど、不思議な雰囲気の人だったよ。

凄く柔らかな感じがして、でも話をすると、やたらにあっさりした物言いの人だったよ。僕の立場など聞くと、皆意識した話し方するんだけれど、彼女はぜんぜん気にしないみたいだったよ。誰にでも同じでね。Dr.マリアンヌと仲がよいんだよ。

ワイス事務官《それは凄いですよね。Dr.マリアンヌは何となく恐れ多い雰囲気の方でしょう？女医としても、かなりの実力者みたいですしね。

プリメル《リヴェール教授の奥様なのでしょう？仲も宜しくて、素晴らしいご夫婦だと聞いていますけれど。

ライモン《ワイスもそのうちセージに逢うとよいよ。奥さんはCafeのオーナーだし、２階のブティックは経営はセージのお姉さんのミントだけれど、オーナーはセージの奥さんのMrs.Sugarだから、ブティックの服のデザインは彼女がやっているんだよ。

僕が帰国する時に、ミントに逢って行こうと、ブティックにエーデルも一緒に寄ったら、出来たばかりと言うドレスがあって、買えるって聞いたら、エーデルは２枚も買ったんだよ。結局ミントには逢えなかったんだけれどね。

ワイス事務官《１枚は、プリメルが今着ているドレスだね？

ライモン《そうだよ。エーデルも始めて行ったブティックなのにさ“お買い物して宜しいかしら？”とか言って、皆がなかなか買えないで居るというのにさ...

申し訳ありませんが“買いに来ることが出来ませんので、２枚宜しいかしら？”って買ってしまったんだよ。もう凄いオバサンっていう感じでさ。

僕には“はしたない事はいけません”とか言うくせに、あの時は本当にはしたなかったよ。

ワイス事務官&プリメル《Ahahaha、、、、まさか１週間？位で、直ぐに戻ってきたなんてね。

ライモン《でも、僕は帰国したら、次の日にはちょっと、胸が息苦しくなったのは本当だよ。収まったからこの調子なら尚更って思って、大使館の話を進めたのさ。

丁度『そうするべきだ！』みたいにフランネル財団次期会長が来たから、相談に乗ってもらったんだよ。もうあっという間に決まったね。

“リヴェール教授がOKしてくれたら、良いアイディアだ”ってね。僕は褒められたんだよ。静養に入院しても、無駄な事ではなかったってね。
入院中に、やっぱりセキュリティに関しての、情報を提供しただけの事があったね。

エーデル秘書《フランネル財団次期会長は、やはりヨーロッパでは、もう実力者ですし、お付き合いもそれなりの方と親しくなさっていますからね。

プリメル《それで又ワイスを事務官にするとはね。ライモン様も、大使としてなら、此処の国でも良いお仕事が出来るのではないですか？適任でいらっしゃいますわ。
サポート役にエーデルさんとワイス親子を配属するなんて、フランネル財団次期会長は流石ですわね。わが国の首脳陣も、何の異論なく一致で即決には驚きましたわ。

ライモン《前から考えてはいたんじゃぁないのかい？この国とは限らずに、小国は小国同士で、何か結び付きをつくらないと、これからは乗り越えていかなくてはならない問題も多いからね。

考えたらこの国は、最も何処の協定国も文句の無い国だよね。学問と医療だけメインの国だからね。街中歩いているのは学者もどき人間ばかり良く集まったものだよ。

エーデル秘書《本当に、礼儀正しい方ばかりですし、何となく穏やかでひっそりした国なのは、子供がいないのと学識者が多いからなのでしょうね。

ワイス事務官《此処のセンター内なども、結構皆楽しそうにお喋りしている若い人が沢山いるのに、やたらに穏やかな雰囲気ですよね。

プリメル《それでも、活気が無いわけでもないんですよね？スポーツ熱が今凄いらしいですわね。フロアマネジャーが教えてくれましたわ。

プールやジムも利用できますし、大きなサウナもあるそうですよ。最近凄くみんな健康志向が強くなったそうですよ。

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エリオットマネジャー＼近いうちに工務店から連絡があるから、そうしたら僕は少し大使館設立の方の手伝いにでますからね。

ルネ理事長＼おぉ～お願いできますか？僕か学長がと思っていましたが、エリオット君がやってくれれば助かりますよ。

ミレーユ秘書＼理事長達がここにいてくだされば、私も女性が２人いらっしゃるから、何かの時にはお手伝いにでられますよ。

エリオットマネジャー＼何だか最近は、凄く連携が良くなってきたなぁ～。

ルネ理事長＼これからは、巧くやっていかないとね。

そうでなくとも、人は少しずつ増えて行きやすいのだから、人が増えればよい事もあるけれど、危険因子も入って来易いから用心が必要になるからね。

世の中は健康な精神の人ばかりではないだろう？今の状態が、ギリギリだろうね。

ミレーユ秘書＼外からよりも、中で新国民が生まれてくれないとね。

クローブ（セキュリティエンジニア）＼クスクス、それにしても、皆よく働くようになりましたね。無駄なく動いていますよ。

エリオットマネジャー＼でもまぁ、まさか患者が大使館第一号を設立するなんてなぁ～。この小さな国にだよ。

ルネ理事長＼しかし、実力のある小さな国ですから、そこの大使館が一つ出来れば、近隣の協定国が皆そこを利用出来ますから、今後便利かもしれないですよ。

ミレーユ秘書＼でもなんだって、大使館という話になったのかしらね？　あの心臓が悪くて静養に来た患者さんでしょう？

ジョルジュ＼セージ君の友達だったんだよね。

ジョルジュ＼大使館が出来るとなると、ネットのセキュリティはもう少し強化しないとなりませんよね？

クローブ（セキュリティエンジニア）＼そうだねぇ～。まぁ金融国だから、多分かなり知識の有るスタッフ付きじゃぁないかと思うけれどね。特別に考える事は無いと思うけれどね。

小さな大使館が出来るだけ、発展したようで、好いのではないですかね・笑

エリオットマネジャー＼まぁ、何でも前向きに考えましょう。活気がでてくるかもしれませんからね。

別に怪しい国と言うわけではないのですから.....
フランネル財団の紹介なら、間違いないでしょうし、援助してくれる国が増えたんですからね。

ルネ理事長＼それはそうなのですが、もうこれ以上は患者国は増やしたくはないといっているんですよ。

此処までで手いっぱいでしょうね。あまり忙しくなりすぎたら、よい医療から遠ざかりますからね。

ミレーユ秘書＼何か災害などあっても、患者さんを無事に守るのも、手薄になりますしね。

エリオットマネジャー＼お互いに情報交換も出来るでしょう。『お互い様精神』ですね。

ルネ理事長＼そう言う意味では、堅実で静かな国のようですから、巧く付き合っていけるでしょう。

あちらにもしっかりした秘書さんが付いていますからね。事務の女性もとても美しい方でしたよね。

ミレーユ秘書＼まぁ、理事長も流石男性ね。女性には直ぐ目が行くんですね・笑

本当に男性は、全くの堅物でも、女性をチェックするのだけは早いんですから！ってでも、あの若い大使は独身でしょう？　

なかなかのハンサムな青年よね。
セージ君の昔のお友達らしいけれど、ちょっと年上くらいかしらね？

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どうやら、今日は皆落ち着いてきたようで、図面が届いたら、動き始めたら良いでしょう。西欧人の引越しは海外への移動でも、実に気軽で荷物もコンパクトですからね。何日かゆっくり過ごしたら、公示後は少しは忙しいかもです。

ライモン君は、暫くセージ君には会っていないので、早く逢いたいのですが、今は仕事が忙しい最中だとかで、早く逢えても土曜日でしょうか？エルダー君も管理人試験を控えて、今はちょっと忙しくなったと言う話なので、まぁ、ちょっとゆっくりと過ごしています。

女性達は部屋をシェアして借りるか、別々にするか考えながら、不動産やさんを覘く事にしたり話し合っていました。時間が出来たら、Dr.マリアンヌにも逢いたいと思っているエーデル秘書でした。