新デザイン服でブティックに......

ブティックに、上得意のお客様からの注文で、ペァルックのオーダーが入りました。それも柄違いで３組のペア服の注文です。それでみなで手分けして作らなくてはと、型紙は作ってあるので、Mrs.Sugar夫婦に洋服を着て、ちょっと見せにブティックに来て欲しいと、ミントさんから連絡があったのです。

丁度Mrs.Sugarが講師でカレッジに講義に行ったときに、そのドレスを着て行たら、たまたまDr.マリアンヌと患者さんが、講義しているところを見学して、すっかりドレスを気に入ってしまったのだそうです。それも、患者さんは病気でオペしているので、体が少々捩れが有り、車椅子や杖歩行が多い人なのです。

多少外出などは出来る人なので、洋服の話になり、診察の後に講義中のところを見学して、すっかりドレスが気に入ってしまったのだそうです。1着は全く同じもの作って、早くに手渡したので、ご夫妻で喜んで着ているのですが.....？

作ったブティックのスタッフ達は、どうもMrs.Sugar夫妻の着ている物とは、雰囲気が違います。後の2着をどうしようかと話しているそうなのです。それで、もう一度見て見たいという事になりました。
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Mrs.Sugar《おはよぉ～。セージにも一緒に少し寄って貰ったわよ。

でもあんまり時間はないそうだからね。

セージ《おはよぉ～。なに俺の服も見るんだって？前に見たことあるだろう？

ミント《私は見ているけれど、他には見ていない人がいるのよ。取り合えず1枚はお渡ししたんだけれど、何だかピンと来ないから、残りの2枚は布を変えてつくるんだけれど、とにかく見たいという事で、悪いわね。

気に入ってくれてはいるんだけれど、もし出会ったら何だか違うような？って言われそうな気がするのよね。皆が、アルバムの見本写真だけじゃぁ、よく判らないって言うから来て貰ったのよ。

悪いわね。もうバニラは居ないから、セージは抱き着かれる事はないわ・笑

Mrs.Sugar《Ahahaha、バニラさんは本当に男性が好きな人なのね。何時の間にか声が、変わってしまうんですからね。

マグノリア《本当にね。直ぐにタッチしたがるし、でも男性はまんざら悪い気はしないみたいで、目じり下げちゃう人も多いですからね。

美人って言うか可愛いって言うか、ブロンドですし、コケティッシュですから悪い気はしないんでしょうね。

ミント《セージが凄く魅力的な男性になったって、えらくお気に入りで、結婚していなかったら、大胆に迫られるところだったわね。でも、Sugarとセージが一緒の所見て、ちょっと諦めたのよね。

あげくプールの事故起こした後に、診療所でセージに睨まれて、彼女はショックだったみたいよ。“生まれて初めて、男性から憎しみのこもった目で見られた”ってね。

怖がっていたわよ。“人生が変わったわ”ってね。

セージ《別に俺は眼が合ったけれど、睨んだりしなかったぜ。許しもしなかったけれどね。甘え声で“ごめんなさ～い”で済むと思ったら大間違いだよ。

ミント《もう現れないわよ。彼方此方で媚びてばかり居過ぎたようですからね。Dr.マリアンヌなどに目を付けられちゃったからね。

じゃぁ皆、セージの服を見ちゃってよ。形はみな同じでも、素材によって雰囲気が全然違うでしょう？でもお渡ししたのは、これと同じ布のペァルックよねぇ～？

Mrs.Sugar《これは素材がガーゼ地みたいなので出来ているから、ドレッシーな雰囲気の普段着でしょう？ちょっと良い布の物の方が、同じラフなスタイルでも高級感があるのよ。私のドレスも組み合わせによって、ドレッシーな感じにも着られるわ。

今はセージの服と同じ色合いであわせたからニットのベストですけれどね。

アニー《セージったら、そんな上等な素材の服で、仕事しているわけ？手縫いの所も多いのよ。

セージ《えっ！いや、そのぉ～、えーと、ちゃんと仕事する時は着替えるよ。怒られちゃうからさ、古い服を教室に置いてあるよ。

忘れちゃう時もあるんだけれど、着心地が良いんだよね。

マグノリア《プライベートな日とかでないと、もったいないわ。職場は仕事に行くんですからね。

Mrs.Sugar《そうなのよね。でも忘れちゃったら、仕方がないんですけれどね。

此処はそう言っていたら、服など着る時がないでしょう？
だからいいのよ、その日着たい服着ればね。

セージ《そうだよなぁ～だから、気分で選ぶんだよ。

ミント《何、セージが着るもの決めるわけ？あらそうだったの。Sugarが決めるのかと思ったわ。ま、過去のセージは何処にいっちゃったのかしらね。良い事ですけれどね。

アニー《えぇ～。じゃぁ何、朝セージが今日はこれ着て行くからねって、Sugarの分も決めるの？

セージ《当然だよ。Sugarは作る人だろう？それ以外は時々Sugarが洗濯するけれど、大概は俺が決めたり手入れはやるんだよ。

Mrs.Sugar《Ahahaha、、、ほら私アイロンがけは苦手だしね。最初は洗濯は私がやって、って分担していたんだけれど、今は洗濯やアイロンがけなどもセージで、その間夕食は私が作るのよ。セージの方がアイロン掛けるの上手なのよ。

何にでもアイロン掛けるのよね。

ミント《Sugarはお料理作るの好きですものね。美味しいしね。セージだってSugarの作った料理は、食べたいでしょうしね。

マグノリア《あらっ、Sugarさんのお料理だなんて、美味しそうだわね。

こむぎ《そうなのよね。Sugarはお料理は上手よ。とっても美味しいのが食べられて、セージ君幸せだと思うわ。

パセリ《そうなの？私はここでサンドイッチ作ったのしか食べた事無いけれど、美味しかったよ。何か得意な物ってあるものだね。巧く出来ているわ。

パセリ《素人だって言うけれど、服も巧い事作るよね。何だか見た感じは、それほど器用そうじゃぁないのにさ。

やっぱりあの渡した服と確かに同じ形と布なんだけれど、雰囲気違わない？

こむぎ《意外とね、着る人の着方や雰囲気なんじゃぁないかしら？Sugarは、服飾ではなかったけれど、絵を描いたりデザイン関係の事などしていたからね。

雰囲気作るのが巧いんじゃぁ無いの？セージ君も着こなしが巧いからね。食事は食いしん坊なのよ。和食はあまり作らないけれど、ちゃんと出来るのよ。

好きなのが洋食だってことでね。だから此処に移民する時に、美味しいパンが無いと困るからって、パン焼きは勉強してきたのよね？

パセリ《それで、洋裁の勉強をしたミントさんが、Sugarさんのデザインを気に入って、ブティックを一緒に開いてしまうなんて、判らないものだ。

マグノリア《いい感じですわね。メンズが又凄く洒落ていて！これを見逃さずにオーダーしてきたお客様も、見る目があるわ。

アニー《マリアンヌさんが又勧めたんじゃぁないかしら？　Mrs.Sugarも腰痛が出ると、コルセットしたりする時があるから、それを巧く隠せる感じの服作るんだけれど、結構みな洒落ているのよ。

私なんて、髪の色が特殊だから、何時も着るものに困っていたんだけれど、Sugarのアドバイスで、服着るようになったら欠点だった髪を綺麗だって、褒められるようになったのよ。

“服は着る人を生かして呉れなくちゃぁね！”って、そう言うものだって言うのが、彼女の考えですからね。

Mrs.Sugar《それじゃぁ、もう良いかしら？

ミント《あら、セージ、そのシャツは下はスリットが入っているのだったかしら？

Mrs.Sugar《セージのはほとんどがロング丈でスリットのシャツなのよ。下着を着けないからね。だから、オーダーが入ったときは、確認した方が良いかもね。

それから、最近はスタンドカラーの、シャツを着る事が多いのよ。仕事でユニホーム着るから、スタンドカラーのほうが良いんですって！

アニー《そう言えばエルダーもそういっていたわね。セージが着ているみたいなのが、仕事の時は良いってね。

セージ《普段着もさ、ネクタイ必要無いときは、スタンドカラーがスッキリしていて、ボタン開けてもだらしなく見えなくて良いんだよ。ロング丈で横はスリットね。

ミント《セージはドサクサにまぎれて、リクエストをSugarに言っているのね・Ahahaha、、、、　ハッキリ言えば良いのにね。

Mrs.Sugar《後は布を変えると、色々な感じになるからね。夏用に半そでとかね。

あっ、半袖って言うより七分袖くらいが良いって言っていたんだったわね？

特に此処の国の男性は、ユニホーム着て仕事の人多いから、袖口がうっとうしいって言ってたわね。

セージ《そうそう、スタンドカラーで七分袖がこれからは俺は欲しいな。ユニホームの袖より少し長い目が良いんだ。

襟もさ、ユニホームから出るし、袖も少し見えたほうが、カッコ良いだろう？

アニー《あたしに向かって言わないで、Sugarに言ったら？まぁ、此処で作って売る時には、参考になるけれどね。

Mrs.Sugar《私は聞こえているわよ。新しく家に作ってあるのはスタンドカラーよ。そうね、案外セージが着て歩いたら、又オーダーが入るかもね。目新しいデザインですからね。だから、ブティックで揃えておいてよね。何枚かはあったでしょう？

そうでないと、今は身内が増えちゃったから、此処に無いと、私が家で縫う事になるでしょう？私はセージの分だけ作るだけにしないと、忙しくなるばかりよ。

セージ《そうそう、でないとSugarは、ずっと忙しいんだよ。絶対にオーダーがくると思うからさ。既に夏用の半そでシャツは、何人かに声かけられているからね。

Mrs.Sugar《そうよね。間に合わなければ外注さんに出すとかしないとね。さっさと注文表を溜め込まないで、品出さないとね。
私は本当に見本になる物くらいしか、作らないわよ。限が無いでしょう？

ミント《又セージね。“きちんとルール作って仕事はしろ”って言うのは！そうなんだけれどね。

セージ《そうだよ。当てにしすぎるなよ。Dr.マリアンヌにも言ったんだからね。“服のオーダーはブティックにどうぞ”ってね。

アニー《わぁ、本当にそういったの？それじゃぁ至急に対策を考えないとだわ。

私達だけでは、手が回らなくなるわね。外注さんに声かけて置かないとね。

マグノリア《やっぱり素敵だわ。その布も見るからに肌触り良さそうですし、セージさん素敵に着こなしていて、作ったら絶対に又直ぐにオーダーが来そうよ。

アニー何か考えないとね。ガーゼ生地だから手作業も多いでしょうしね。結局は間違いではなさそうよ。ちょっとした着こなし方の違いみたいよ。

こむぎ《縫い物は私苦手なのよね。心配だわ。

パセリ《急がなくても良いからゆっくり丁寧にやるんだよ。誰だって、最初から巧くは出来ないんだからさ。何時か巧く出来るようにならないと、アンタこの国でずっと暮らしたいなら考えないとね。

編み物だけ出来ますじゃぁ、受け入れてもらえないんじゃぁないのかい？語学も上達していないしさ。後は、この国の人と結婚するかね。

ミント《それじゃぁ、もう皆見たわね。セージも夏休み前で仕事があるから、もう行くわよ。

Mrs.Sugar《私はまだ居るから、聞きたいことがあったら、聞いてもらっても良いけれど、セージは行かなくちゃぁならないのよ。

セージ《もう良いだろうから、俺は行くよ。

アニー《セージは何気なく着ているのに、素敵な服に見えるわ。エルダーも欲しがるわねきっと！　今の所は、もっとカジュアルな服着ているけれど、彼も突然せっかちに“あれが着たい！”って言いだすからね。

それで、以前はイリスが着ている縞々ニットのセーター、着たばかりを脱がして買ってしまったのよね。

セージ《今の所は、俺ももう暑くなってきたし、秋になるまで、この手のシャツやトラウザは着ないと思うよ。今夏は本当にユニホームを着ることなく、過ごすつもりだからね。

だから、アニーも夏休み中に、シャツなど縫えば良いんじゃぁないの？あっ、新しいシャツはさ、もう俺１枚は着たけれどスタンドカラーのシャツなんだ。

俺ユニホーム下に着るのは、スタンドカラー七分袖のシャツが一番着やすいって、前からSugarに言ってたんだよ。アニーは見ていないかもしれないけれどさ。

Mrs.Sugar《そうそうミント、セージが言うとおりに、家にある新しいセージのシャツは、まだボタンつけていないけれど、全部スタンドカラーのシャツにしたのよ。

ミント《あらっ、そうだったの？　まぁ縫うほうはそのほうがシャツカラーより楽なんだけれどね。

セージ《俺はもう本当に行くからね。じゃぁね。

Mrs.Sugar《うん、ありがとうね。気をつけていってらっしゃ～い。

Do not forget to love me. And therefore come home early.

セージ《There's no way I'd forget you. I love you so much that the words I love you are not enough.

ミント《まぁ、Sugarったら、セージが喜ぶ事をうまく言えるようになったわね。

アニー《でも、セージの場合は、加減が難しいわよね。下手したら本当にあっという間に帰ってきちゃったりするからね。程々に言わないと駄目よ！

マグノリア《まぁそうなの、それもまた見かけによらずややこしい人なのね・Ahahaha、、、、でも本当に幸せそうだわ。忙しい所を、ありがとう。
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そうなんです。Mrs.Sugarは最近では気軽に、自然に“愛している”と言えるようになったのですが、巧いこと言わないとセージ君は凄く早くに、あるいはそのまま一緒に帰りたくなってしまうのです。

まるで親離れ出来ない子供みたいに、なってしまったのですね。　適当に突き放したら、余計に寄り添いたくなるようですし、ややこしい奴なのです。少し前に我慢して、本当にこれが最後とリヴェール教授達と、２泊で緊急の講習会に行った時も、何とか我慢して行きました。

慣れるかと思えばその後は、今まで以上に離れがたくなって仕舞ったのです。本当に夫婦で出席以外は、出かけないことにしました。それさえ無ければ、理想的な健全な青少年なのですけれどね。
ま、人とはきっと、完璧にはなれないんですね。セージ君は隠しきれないだけで！