自転車で紅葉の様子を見に行きました。

今冬は紅葉も遅れて暖かい冬なので、ライモン君は森の奥は全く知らないので、エルダーとセージ君と３人でサイクリングで、紅葉偵察に行きました。

安全運転で、本当にサイクリングです。どうしても走るのは遅くなりがちのライモン君が迷子になったら大変です。意外に深い森で、かなり判っていないと、戻って来られなくなる森なのです。

何処まで紅葉が進んできているか、偵察にです。先頭はセージ君で、次はライモン君、ラストはエルダー君と言う順番で紅葉らしきものが見える所までやってきました。
かなり奥深くまでやって来ました。
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セージ＼ありゃぁ～。木の葉は落ちているけれど、紅葉はしていないなぁ～。
何時もならもうとっくに綺麗な紅葉になっているんだよ。いや終わりだよね。

ライモン＼何だかかなり深い森だよね。とてもよく整備されているけれど、似たような景色だから、これは本当に迷子になったら大変だね。

エルダー＼そうだよ。俺なんて昨年アニーと一緒に、セージ達と散歩で来たんだけれど、全く道が判らなくなってくるんだよ。ここは意外と怖いんだぜ！

かなり歩いているうちに、どっちから来て、どっちに戻るのかが分からなくなってくるんだよ。

ライモン＼セージはちょくちょく来ているのかい？よく道が判るよなぁ？磁石でもないと戻れなくなるよ。

僕は昔子供の時に、森に遊びに行って迷子になって、大騒ぎになって捜索隊に助けられたことが有るから、判るんだよ。セージよく道を覚えたね。

セージ＼最初はちゃんと目印付けながら、遊びに来たんだよ。って今も目印付けてあるんだよ。それを確認してから、入って来たさ。

セージ＼やっぱり、今冬は気温が高いんだよ。特に夜の冷え込みが無いから、紅葉していないんだね。

下に落ちている葉っぱは、紅葉した葉っぱではなくて、病葉だね。夏は結構蒸れちゃったんだろうね。

ちゃんと森番が入っているし、手入れされているみたいだけれどね。もっと奥はこれほど整備はされていないんだけれどね。

これは綺麗に紅葉しないで、風が強い日が有ったら、そのまま葉が落ちてしまいそうだよ。

ライモン＼なんだってセージはそんな奥まで見に行ったんだい？怖くなかったの？何が出て来るか判らないだろう？

エルダー＼セージは野次馬だからさ、どこら辺りまでが国境なんだろう？とか思ったんじゃぁないの。でも一人で来たんだろう？無茶な奴だよ。

Sugarさんには“絶対に一人で森に入っちゃぁいけないよ”とか言ってたよね？

セージ＼初めて来たのは、初めてこの国に来た時だよ。まだ受験するとも決めていなかったし、アルバイトって言ってもそれだけで、気楽にしていた時だからね。

何となく気になって見に来たんだよ。この森の足の下に多分シェルターがあるんだよ。

ライモン＼えぇ～！全く分からないよ。ただの落ち葉の道って言う感じだよ。よく手入れされているよなぁ～。一応簡単な柵とか作ってあるけれどさ。
そうかぁ、森番を入れて手入れしているんだね。結局は綺麗な所は、人の手をかけているんだね。

セージ＼そうだよ。森番が元の出発点に戻ると、丁度１年かかるんだって聞いたよ。元々の森林を整備したり、植え替えたりして、風の通りを気候によって巧く通って、冬は外側より暖かく、夏は涼しくなるようにしてあるんだってさ。

だって森の中も、凄く気持ちが良くないかい？　程々の寒さでさぁ～。防風林にもなっているんだろうね。

エルダー＼森林は手を入れて居ない所は、凄い荒れているって言うからね。外側はそうなんだろうね？俺の国も森林は多いけれど、凄く荒々しい森林だったよ。

きっとそうでないとあの寒さなど越えられないんだろうね。

ライモン＼又来たくなるよね。でもこんな奥まで来たら、皆、道に迷って大騒ぎだよな。

でもカール達に見せてやりたいな。国民じゃぁないと、入ってはいけないのかな？

セージ＼そんな事はないだろう？一応聞いてみれば良いじゃぁないか。　問題は人が木の根元を踏み荒らしたら、木は根の所から弱ってきて、病気に弱くなっちゃうんだってさ。昔子供の頃に庭師に聞いたよ。

“木登りしても良いから、木を乱暴に扱ったらだめだよ”って言われたんだよ。
うちにはさグリーンハンドで有名な庭師親子が居るんだよ。

その一家は、親族も皆うちの関係の建物が有る所で仕事しているんだけれど、皆凄いんだよ。

大昔からうちで仕事しているんだよ。

エルダー＼セージの家みたいな、歴史ある家系はそこで働いて居る人の大部分も、親子から孫まで仕事を引き継いでいくのかい？

セージ＼うん、ほとんどの人がそうみたいだよ。年中人が変わる家もあるらしいけれどね。

メイドや一時期雇いの、ベビーシッターみたいな人は契約が切れると、推薦状を貰ってやめたりするけれどね。

推薦状が無いと次の仕事につけないみたいだよ。

ライモン＼僕の家は数年で入れ替わって居たかなぁ～。取り仕切っている秘書とバトラーがずっといるけれどね。

セージ＼うちはさ、大きな家１軒には纏めって居なくてさ、何軒かに分けて建ててあって、使っていない家はレンタルしているんだよ。

きっと考古学者の家なんて、貧しいんじゃぁないかと思うよ。建物を維持していくのも、結構な費用がかかるからさ。

大昔はそこそこだったのかもしれないけれど、今はつましく暮らして居たら、まぁ暮らしには困らないって言う程度なんじゃぁないのかなぁ～。

ライモン＼そうか、うちは国から年間で、何とか費って言うのを貰っているらしいよ。

男の子が生まれたら、継承者として登録されて、仕事をしていても、休みの日とか公務とか言って、VIPとか来賓が有った時は、相手をしなくちゃぁならないんだよ。それが仕事なのかな。

セージ＼それで、お前仕事もしていて、忙しくて行儀よくしてなくちゃぁならなくて、疲労とストレスが溜まって病気が出たんじゃぁないの？　

何も無くても休みの日に、一日中好き勝手な事して過ごせないんだろう？

エルダー＼うへぇ～。聞いているだけで息が詰まりそうな暮らしだよなぁ～。で、婚約者もまだ数名候補者が控えているのかい？

美味しい話みたいだけれど、好みの相手とは限らないだろう？勝手に出歩いたり、外泊なんて出来ないんだろうね。

ライモン＼外泊は無理だけれど、出歩くのは言って行けば出かけられるよ。

継承権が有るって言っても、僕は５～６人目くらいだからね。適当に遊んでいたよ。

でも放棄する事にしたんだよ。此処に来て入院中にセージとか見ていたら、色々考えちゃったんだよ。

セージ＼あぁ～。それで、適当にガールフレンドとか出来たんだろう？

ライモンは昔から、女好きだしさぁ～。居ないわけないよな。

エルダー＼セージも、結構行儀よく遊んでは居たんだよな？　俺が一番好き勝手に遊び回って居たかな。

普通の貧乏学者の家だったけれど、母親は口煩かったし、父親は優しい人だったけれど、静かに音楽聞いたりして、静かに過ごすのが好きな人だったからね。

若い俺は、バカ騒ぎしたくなって、外では遊び回っていたよ。ある程度の成績を取っていたら、怒られる事はなかったしね。

かなり遊んだから限よく止められて、暫くしてからアニーと友達になったんだんだけれど、女の子と２人限の友達って言うのは初めてだったよ。

自分なりに吃驚して“俺ってこんな付き合い方も出来たんだ！”って思ったよ。

セージ＼お前さぁ、そう言うのも珍しくない？まぁ、エルダーは一見あまり異性を感じる顔じゃぁ無いから、女の子は無防備になっちゃうんだろうね。

気が付いたら餌食になっているけれど、嫌味が無いし、自由の国の人だから、もうやり放題でいたんだろうね。

ライモン＼本当に北欧は、噂通りの国なのかい？良いなぁそう言うのもさ。

僕も確かに女好きだから、結構遊んだけれどさ、立場を知ると引いて行かれたりもあったんだよ。

少しは真面目に好きだったりすると、僕なりに傷つきもしたしね。でも一番好きだったのは、本当にミントだったんだよ。

セージ＼あれは本気だったのかぁ？　じゃぁもしかしたら、俺の義兄になったかもしれなかったんだ・Ahahaha、、、、。

でさ、あの美人の彼女は帰国して、婚約解消したのかい？でもまだ後釜がいるんだろう？　

そう言えば、出入国は煩く管理されているけれど、ライモンは何だかやけに出入国していない？　

土曜日は必ずクラブに出てくる事多いけれどさ。

エルダー＼何だか羨ましい様な、羨ましくないような立場なんだね？

でも完全に決定しなかったとしても、適当に遊んだり、友達を作ったり位は出来るんだろう？

それでも面倒くさい家に生まれちゃったよなぁ～。

セージ＼エルダーが一番恵まれていたのかなぁ？エルダーが同時に何人もの女と付き合っているのも承知で、アニーは付き合って結婚までしてくれたんだものな？

エルダーも沢山のデーターの中から、妻にするならアニーって決めたんだろう？これで、こんなシェルター暮らしするような酷い地球じゃぁなかったら、何の問題もない一生が送れそうなのにな。

エルダー＼俺は別に、女のデーター取っていた訳じゃぁないよ。

何となく相手から寄って来るようになったから、何となくまぁそこそこ悪く無いって思った女と、平等に契約して付き合うようになってしまっただけだよ。

結婚したら、それはいけないって思って居たんだよ。母親が凄い真面目なのに父親が浮気する事だけには、神経質だったからね。

浮気していなくても、妻にとっては愛されている確証がないのは、とても悲しい事なんだ！って思って見ていたんだ。

セージ＼俺達ももう既婚者だって言うのに、何で紅葉見に来て女の話しているんだろうね？
やっぱり男って女好きなのかなぁ？

あぁ、ライモンの婚約者の話から、そうなっちゃったんだっけね。やっぱり女が居ないと、ライモンは落ち着かないのかい？

ライモン＼嫌な言い方しないでくれよな。皆はもう安定した相手が居るんだから、ずっと決まった相手が居ない身の事が判らないんだよ。

婚約者は確かに居るし、解消したネルケとは、前から適当には付き合っていた相手なんだけれどね。
だから巧く行くかと思ったんだよ。

ほぼ婚約が決定となったら、色々な事が判ってきてさ。役目的にも適任でないは無く派手好きでお喋りな性格でさ。

僕はセージを見ていて“あぁ、僕はネルケを愛してはいないし、愛情も育たない”ってはっきり気が付いたんだ。

エルダー＼俺もそうだよ。歳下なのにさ。セージ見ていて、同じには出来なくても、男は本気で愛せる人と結婚しなくちゃぁ、良い仕事も出来ないって思ったんだよ。

妻や子供をしっかり守れない奴に、良い仕事が出来る訳ないってね。責任感って言うのを始めて凄く意識したんだよ。

男が子供から大人に変る時期もあったかもしれないけれど、それは年齢だけでなく、結婚して初めて、大人の男としてスタートするんだって思ったよ。

見た目もセージは、グンと変わったからね。

ライモン＼僕も久しぶりに会った時に、体も大きくなっていたけれどさ。凄く魅力的な男になっていたよ。何だか自分の事みたいに嬉しかったんだ。

同性が見て魅力的な男が、友達だって言うのは、凄い満足感が得られるものだよ。

だから僕なりに積極的に大使館作ったり、色々と働き者になったんだよ。

でも良い事ばかりでなく、いや、早くに気が付いたから良い事だったかな？ネルケとの結婚は取りやめにしたんだ。

今までなら、きっと女なんて暫くしたら、誰でも同じだろうから、決められた中から選べば良いや！って投げやりだったよ。

セージ＼俺はさ、Sugarに関しては情けないんだよ。離れられないし、毎日好きになっていくんだ。凄く嫉妬深くなってしまうしね。

以前ならそんな奴を、俺は一番馬鹿にしていたんだよ。そうしたら、そんな人達よりも、もっと俺はだらしなく、言葉では表現できないくらいに、彼女を愛してしまったんだよ。

結婚したら、そんな気持ちも落ち着くかと思って居たら、益々好きになってしまってさ。

その前は告白して、付き合える事になったって言うのに、俺はKissさえ出来なかったんだよ。軽く肩を抱くくらいだったんだ。

でも突然Nanに呼ばれて“両親も珍しく家に帰っているから、直ぐに2人で帰ってきなさい”っていうからさ、Sugarを紹介するつもりで家に帰ったんだ。

Nanが暫くSugarと話していたんだ。そしてその後は、俺がNanに呼ばれて、結婚したいくらいに愛しているか聞かれたりして、初めて“そうだ、このままいけば結婚したくなるだろうな”って気が付いたんだよ。

だから、“もちろん、そのつもりでいるけれど！”って言ったら“それなら今日家で家族だけで結婚したらどう？今しかチャンスは無いわよ”って言われたんだ。

もう自動的に“お任せしますから宜しく”って言ってしまったんだよ。

ライモン＼いいなぁ～。大好きな人と、家族が取り持ってくれて、結婚だなんてさぁ。義務でなくて、お前本気で好きで付き合っていたんだろう？

僕もそんな相手と出逢いたいよ。きっと何もかもがバラ色って言う奴だっただろう？

エルダー＼最初は話では聞いたけれど、全然気が付かなかったよ。凄く仲が良いし、セージがSugarさんに夢中なのは判ったけれどね。

時期的に試験で忙しい時だから、薔薇色じゃぁ無かったと思うけれどね。

セージ＼俺さ、Sugarと家で結婚式を家族の前で挙げる時まで、本式にKissした事なかったんだよ。

Sugarが抱きしめると緊張してしまうから、慣れるまで待とうと思って居たからね。頬とかおでこに軽くするだけでね。　

で、Dadが何か感じたのか“大人の夫婦はこうやってKissするんだよ”って、家族は何時も見ている夫婦なんだけれどさ！

その時はもうスパニッシュもフレンチも吃驚位のKissをしたんだよ。きっとSugarに教えたかったんだと思うよ。

それ見て、初めて家族の前でKissしたんだよ。Sugarもその時は緊張などしていなかったしね。

で、日帰りのつもりが、ホテルのスィートを皆が取ってくれていたから、１泊してそれがハネムーン代わりで帰国したんだよ。試験真近だったしね。

その後からだよ、やっと恋人らしく、少しづつ寄り添いだしたのはね。
話が急だったからその前のまま、別居夫婦だったしね。
丁度試験真っ最中とか、実習など色々詰まっている時だったからなぁ。

エルダー＼お前って、信じられないくらい、辛抱強い奴だなぁ～。結婚式の時が初Kissだなんて、ただのKissだぜ！って日本はKissの習慣がない国だって言うからなぁ～。

でもその後も、お前ストレスで倒れて入院したんだよな？　その後Mrs.SugarがDr.ローソンなどからアドバイス受けて、新居作りしたんだってね。

イリス達が手伝って“やっと夫婦のベッドルームを作った”って言っていたものな。

Sugarさんの自宅だったって言うのが、かえって夫婦の家作りが出来なかったかもね。

セージはパティオを挟んだ部屋に、住んでいたんだよな。

ライモン＼僕も自分が幸せになれるように、本気で一寸考えようっと！やっぱり、全然違うよね。生きているって感じがするもの。大事な事だよね。

こんな時代になったからこそ、幸せで穏やかに暮らさないとね。でもその為には、自分の為に勝ち取らないとね。
　　　　　
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ライモン君は何か大決心が出来たようです。細々と相談したかったようですが、セージ君やエルダー君の話を聞いて、自分は殆ど結婚に対しても努力していなかったと気が付きました。

シェルター暮らしになって、益々何もやる気にもならなくなりつつありましたが、そんな時代になってしまったからこそ、一生懸命そして楽しく生きなくちゃぁ～と思った人が多いのです。

例え自分の望み通りの日が、１日しかなく、何か起きてしまったとしても、何もしないでその時を迎えるのではなく、１日だけであっても、自分らしく生きられたら良いと思える様になりました。
そうなったら、時間が有りませんから、色々やらなくてはです。

ライモン君は帰り道の自転車のペダルが、気のせいかかなり軽くなりました。持つべきものはやっぱり友です。こんなに正直に、自分の経験談を聞かせてくれた事に感謝です。

それがとても有難く良かったのです。森林の中だったからかもしれません。セージ君も初めて、ありのままに人に話しました。

ある程度の事は、手伝ってくれたイリス君は知っていましたが、あまり深く考えないので、夫婦の寝室らしく、ベッドを買って入れ替えたのを、手伝っただけしか知りません。