冬休みに入った人もいますが、セージ君はひと仕事。

クリスマス過ぎたら、もう冬休みに入ってしまう人もいるのですが、セージ君は研究所の使いたい部屋が空く時間が多くなるので、使うのにはチャンスの時です。

いくら自由な国であっても、やっぱり研究員ひよっこチームの者は少しは先輩優先で、気を使います。そんな心使いに気が付いて居る、研究員も少なくないので、セージ君には寛大な所があります。

別に気にしないで使っても問題はないのですが、流石長男と言っても姉3人いるセージ君は、結構細やかに気が付きます。
自然な事として、先輩や年上には敬意を表します。そんな訳でコンピュータールームは、もう後わずかしか使えないと思って居たら、引っ越したばかりなので、意外と早くに休暇に入った人が多くて、今は空いているのでチャンスが来ました。

エルダー君もですから、空いている間に研究所に出て来るそうです。やりたい事が有る様なのです。

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Dr.ターナー《なんだ、皆まだ出て来ていたのか？　フランツ達は休みに入ったのかな？

セージ《いや、今日は来ていないけれど、まだ出て来るはずだと思うけれど？

エルダー《あぁ、もう休みに入るなら、そう言うだろうからね。

Dr.ターナー《そうだよな。好きにして良い時期だけれど、休むのは一応連絡してくれると良いよな。

セージ《何も聞いてないから、クリスマスだったし、デートでもしているんじゃぁないの？泊まりデートでさ。

エルダー《シェルター内でもシングルルームでも、プライバシーは守られているっていうからね。メィスはマロウさんの所で、見かけなかったのかい？

Dr.ターナー《あぁ、今回はマロウとはローテーションは揃って居ないからね。週末は合わせてもらうように調整してもらっているけれど！サイクルクラブに出られるようにね。
セージ《そうかぁ、医療関係は忙しいようだものね。大変な仕事だよね。

エルダー《本当だよね。不規則だしさ。タフじゃぁなければ、やっていけないよな。尊敬しちゃうよ。

Dr.ターナー《何だセージ、これはさ、そんなに急ぐことは無いからな！もちろん早く出来れば良いんだけれど、リヴェール教授達も、皆に言っているんだよ。

1番は家庭が安定している事だからね。そうでなければ良い研究は出来ないんだよ。
ソクラテスのようになりたくなかったらな。

セージ《ソクラテスって、あの哲学者のソクラテスの事？

エルダー《『よい妻を持てば幸せになれる。悪い妻を持てば私のように哲学者になれる』だね。俺は哲学者になる気はないよ。

Dr.ターナー《適当に帰れよ。まだまだ続く研究なんだからさ！じゃぁな。

セージ《は～い！帰りま～す。　ソクラテスって、本当に悪妻がいたのかなぁ～。そう言われる有名人結構いるよね。

本当はどうかわからないけれど、ソクラテスの妻は齢上で学者だったんだよね。たしか？

エルダー《あぁ、何だかソクラテスは結婚したくないのに、強引に結婚させられたとかって読んだような気がするよ。

本当はそんなに悪妻では無くて、ただ愛せなかっただけみたいだよ。相性が悪かったんじゃぁないの。

セージ《でもさ、それも辛いものが有るよな！一緒にカップルとして暮らしていても、愛情が持てなかったらさ。

男女の中でなくても、友情位はもっていないと側で過ごせないだろう？

エルダー《あぁ、そう言う時って、両方が同じように愛情が無かったら、まぁ適当に暮らせば良いけれどさ、片方は愛していたら、辛いよなぁ～。

愛されない方も辛いだろうけれど、愛せないのに一緒に暮らすのも辛いだろうしさ。どちらにしても、哲学者にでもならなきゃぁやってらんないよなぁ～。

セージ《え～と、あっ、そうかそうか、う～ん。。。。。。。。.....。

やっぱり此処は、妥協したくはないよなぁ～。端折っても出来なくはない事だけれど、きっと後で気になってやり直すだろうから、だったら今のうちにだよなぁ～。

セージ《でもどうするかなぁ～。むっふ！これも悪く無いよなぁ～(^^♪　Lalala・・・♪I’m missing your...... clear♪　Every time you disappear♪　I I want you near, I...ふんふふふん♪

エルダー《あのさぁ、ノっている時に悪いんだけれどさぁ～。聞いても良いかなぁ～？　ライモンは結局はあの美人の婚約者とは結婚はしない事に決めたんだろう？

それで、自分も決められた人でなく、好きになった人と結婚したいとかって、だから何かするって言ってたよなぁ？
あの彼女は、ライモンと結婚する気が満々だったんだろう？

セージ《そうそう、それこそソクラテスの妻だったみたいだよなぁ。でもライモンは女好きだから、哲学者にはなれないだろうからね。

幸せな結婚を望んだから、何かしに帰国するんだそうだよ。帰国しているのかな？でも土曜日には、サイクルクラブには出て来るって言っていたよ。何だか最近ライモンらしくなく、忙しそうだよ。ゆっくり話していないもの。

エルダー《美人だからって、愛せるとは限らないものなぁ～。結構グラマーでいい女だったけれどなぁ～。目つきはなかなか色っぽかったぜ。

上品そうなお嬢さんに見えるけれど、結構ああ言うタイプは好色なんだぜ。
それだけでもさ、性格が合わないって言っても、女好きなライモンでも、愛されているんだから我慢すれば、その内巧く行くって事には、ならなかったのかねぇ～。

セージ《あのさ、人の事だからそう言っているけれど、エルダーだったら我慢して一生一緒に暮らせる？

確かに一番の目的は、後継ぎになりそうな子供も欲しいんだろうけれどさ。ライモンの国は男でも女でも後を継げるんだそうだからね。

ま、幸せな暮らしをするんだそうだから、本人が決めたので、良いんじゃぁないの。

エルダー《ン～ッ！俺はさ、そこそこ愛が無いとね。あんなに同時に数人と付き合っていたけれど、皆に愛情っていうか、友情っていうか、そんなものはあったぜ。

でもさ、約束通りに別れるのには、未練はお互いになかったけれどね。
アニーにはちゃんと、それまでとは違った愛情を感じるし、セージ達に負けないような、夫婦になりたいと思っているんだぜ。

セージ《でも、本当にターナー先輩が心配してくれるように、俺も気を付けないとって思って居るんだ。

ついSugarに甘えて、家でも仕事しちゃうことが有るんだけれどね。結構、俺は我儘言っているんだよなぁ～。本当は、もっともっとSugarの事幸せにしたいのにさ！

そう言う意味では、仕事の犠牲にしているかもしれないよなぁ～。そのバランスがうまく取れないんだよね。

エルダー《でも2人で色々話し合って居るんだろう？かなりSugarさんは何時も幸せそうに見えるけれどなぁ～。

セージ《本当にそう見えた？それなら良いんだけれどさ。俺とならかなり言葉は通じていると思うけれど、でもやっぱりどうしても、理解できない感覚は、お互いにあると思うんだよね。ちょっと素っ気無いSugarなんだけれどね。

俺はそれは好み通りなんだよ、だから毎日Sugarの事が、大好きって思うんだよ。自分で客観的に自分を見た時は“なんて、不様で女々しくて馬鹿野郎な奴なんだ”って思うんだけれどさ。

ラッキーだったのは、彼女が日本人だったからだろうね。ちゃんと、物足りない目に優しくもしてくれるしね。

日本人夫婦の多くは、一番大事なのは仕事らしいからね。妻は夫の仕事の犠牲になって、当たり前で良い妻って言う事みたいだぜ。

最近の若い人は、変わってきたらしいけれど.....だから、もう凄く満足してくれているって言うんだよ。その言葉を、まる飲みはしないようにしているけれどね。こういうのは、同国人同士でも、理解できない事ってあるもんね。

エルダー《まぁさ、俺も偉そうなことは言えないけれど、少なくてもセージよりは2歳くらい年上だし、恋愛経験もずっと多いと思うんだ。

人の話も聞いているしさ。でもセージ程自分の理想にピッタシの相手に巡り合う事は聞いた事も、体験した事もないよ。

体験していればその人と結婚しているだろうけれどね・笑　俺はアニー位に程々愛している人と一緒になるのが、楽で良いんだよって思うんだよ。

セージ《それは俺だってそうだよ。負担になる事は何もないよ。ただ、大事になることなく、毎日元気でSugarと暮らせれば本当に何もいらないんだ。

毎日毎朝目が覚めると、隣で眠っているSugarの寝息を聞くと、凄く幸せだって思うんだよ。そして大好きだよって思う。

エルダー《俺はセージは少し彼女を愛しすぎているって思うんだ。それって、辛い時もないかなぁ～。

何でも過ぎないように、自分をコントロールしないとね。それが有る意味不幸と言えば不幸かもよ。変な言い方だけれどさ。

セージ《確かにそうかもしれないんだ。あまりにも好きなのは、結婚したんだから、ブレーキがかかって、気持ちが落ち着くかと思ったんだけれどね。

まだ“もっと俺の事想って欲しい！”って気分になる時が有るんだ。だから、何でも半分くらいで、保ちたいって思うんだけれど、変にそうしようとすると、逆効果で余計症状は悪化したんだよね。

最後にエルダーと泊り研究会に言っただろう。でもあの時が限界だったんだ。もう絶対に余計な努力はやめようと思ったよ。

異常なんじゃぁないかと思って、診療所で相談もしたよ。俺らしくないんだもの。

エルダー《気にするなって言われただろう？贅沢と言えば贅沢な話だよな。それだけ大好きな人が居るって言うのはさ。

その人の為に、生きるパワーがもらえるだろう？考えてしまうと辛さが出てきちゃいそうだけれどさ。全く問題ないと思うよ。誰でも何処かもろい所があるもんだよ。

セージ《うん、そうだって言われたし、そう思う事にしたんだ。何とかなるだろうって思ってさ。そう思うしかないからね。

一応コミュニケーションが、有る程度取れる様に、努力もしているよ。Sugarは愚痴っぽくないから、何も言わないけれど、我慢している事も有ると思うんだ。

ただ、今が一番幸せだって言ってくれているから、ホッとするんだよ。
多分他の国の女性だったら、俺は素っ気無いとか言われて、喧嘩ばかりになっているかもしれないよ。でも運よくSugarは俺達とは真逆な文化が多い国だったんだ。

だから俺が仕事に夢中になって、放っておいたら、Sugarが日本人じゃぁ無かったら“放っておかれた！愛情がない！”って怒って、離婚ものだろうけれどね。

日本人はKissだって気楽にはしない民族だからね。素っ気無いくらいだって言われる俺でさえ“しつこくし過ぎないように！”って我慢するんだよ。

結婚3年経って、やっと巧い事噛み合って来たって感じかな？どちらかって言うと、俺の方が何時も欲求不満気味かもしれないな。

エルダー《それは早くにSugarさんと出会えて、結婚出来て良かったじゃぁないか！　同じ日本人でも、こむぎさんって言ったっけ？

彼女はタイプではなかったんだね？あの人の方が、日本人らしい女性だって、日本人を何人か知っているセルフィーユが言っていたそうだよ。　　　　　　
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ちょっとお喋りする時間も有りましたが、それぞれが適当に研究所の方に出かけたりして、今日も仕事は捗りました。エルダーと顔を合わせるのも、今年は土曜日までですからあと3日です。

そうしたら、シェルターは冬休み中の約1ヶ月は、閉じたままですから、誰とも会う事はありません。ちょっと寂しいけれど、お互いに今は相手がいる身ですから、ゆっくり過ごそうと思って居ます。

セージ君もあまりMrs.Sugarに負担を掛けない様に！とは思うのですが、家ではやっぱりベッタリとくっついて、過ごしてしまいそうです。時々自分に“馬鹿な奴”と言いながら過ごす事でしょう。