『2015年・晩夏』イヤリングをSUGARMAMAの耳に...

今日はセージ君は朝一に帰国して、宝石加工の工房から、注文した品物が出来上がったと連絡がはいったので、受け取りに行きました。ピアスのイヤリングと、セージ君様タイピンとカフスボタンに、加工してもらったのです。

本人はまだ、自分でもピンときてはいないのですが、ごく最近気が付いた事があるのです。自分が単純に、ただSUGARMAMAを好きなだけではないのでは？と...。

それはイリス君がちょくちょく、セージ君の所に来るようになり、たまに忙しい時は、アルバイトもする時があるようになったのです。Cafeに馴れて来ましたら、態度が変わってきて、遠慮が無くなってきました。

国民性とは言えSUGARMAMAに、軽くハグとかしたりする時があるのを見た時に、セージ君は心がざわつくのを感じたのです。“習慣が違う国の人だからね”と注意したにもかかわらず、SUGARMAMAの事はイリス君もお気に入りです。

色々な事に寛大に対処しているセージ君ですが、SUGARMAMAの事は別物なのです。そんな時のパーティの話に、SUGARMAMAは自分専用パートナーになってくれるように、約束したのです。
仲の良い友達であっても、そこは平等にして欲しくないとの、約束をとりつけたのです。それで本来は、結婚相手にプレゼントする、大きなホワイトダイアモンドを持って居るので、何時からか片方を落としたと言って、ピアスをしなくなったSUGARMAMAに、プレゼントしたいと思ったのです。

先日実家に取りに帰った帰りに、家で利用している加工工房に注文しておいたのが、出来上がったと連絡が入ったのでした。送ってもらおうかと思ったのですが、自分の目で確認して受け取ろうと、取りに帰国しました。

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SUGARMAMA《どうしたの？セージ君このところスーツなんて着て、帰国するなんて、忙しそうじゃぁない？

セージ《うん、今の内しか時間の余裕は、ないかもしれないからね。ちょっと作り直しを頼んだ物を取りにいってきたんだよ。

これからの方が、何かの時にスーツ着るかもしれないと思ってね。今度もパーティがあるだろう？

SUGARMAMA《流石にスーツ着ると、セージ君も大人っぽく見えるわね。本場仕込みの立派な若い紳士だわ・笑

セージ《あのさ、セージ君でなくセージで良いからね。MAMAだけだよ、そんな改まった呼び方するのは...。凄い他人行儀でさぁ。何だか寂しく感じるんだよ。

SUGARMAMA《そんな事無いわよ。わかったわ！じゃぁセージ、私達パートナーシップの約束したんですものね。本当の恋人が出来るまで代役ね。

セージ《その可能性は多分無いと思うんだ。それでね。今MAMAはピアス付けなくなったでしょう？失くしちゃったとかって...。
俺色々と世話にもなっているし、ピアスプレゼントしたくってね。

見てみてくれる？　何もアクセサリーがついていないのは、少し寂しいでしょう？パートナー契約の印だよ。俺も同じ石でタイピンとカフスボタン作ったんだ。

SUGARMAMA《あらぁ...私好みのシンメトリーでは無いデザインのピアスね！良いじゃぁない。石１個と、２個に左右で分けたデザインだなんて...。

セージ《前に言っていただろう？　シンメトリーはデザインでは無いってね。工房のデザイナーと相談して、こう言うのにしてみたんだよ。俺のカフスのデザインも同じだよ。

SUGARMAMA《凄く面白いわ！デザインに動きが出て、素敵！でも、こう言うのは、セージにフィアンセが出来たら、その人がする物ではないのかしら？　

これは色も良いし、なかなかの値打ちの本物のホワイトダイヤじゃぁないの？私彫金やっていたから、プロではないけれど、少しは解るのよ。凄く上品で美しい石だわ。

セージ《気に入ってくれた？これはSUGARMAMAへのプレゼントだよ。普通に何時も付けていて欲しいんだ。特殊なキャッチを作ってもらったから、落とす事は無い代わりに外すのも大変なんだけれどね。
石も外れないように巧く加工したから、それでももし落としちゃっても、もう１個分くらいの石は、持って居るからね。でも前はピアスずっと点けっぱなしだっただろう？

寝る時もこれなら耳が痛たく無い様になっているからね。

SUGARMAMA《嬉しいけれど、セージこれは高価すぎるわ。いくらセージの物だとしても、先祖から受け継いだものだったりするでしょう？　お婆様達に怒られるわよ。

セージ《大丈夫。取りに行った時に、加工して好きに使うからって断ったから！ピアスも作り替えてパーティの時のパートナーに、付けてもらいたいと思っているって言ったよ。

まだ相手がSUGARMAMAだとは、断っていなかったけれど“OKしてもらえないかも...”って言ったら“良い返事が貰えると良いわね”って、言って居たもの。

待って！俺がつけるよ。

自分では付けられないよ。俺よりもSUGARMAMAに良い人が出来たら、俺は刺されちゃうよね。

SUGARMAMA《何言って居るのよ。そんな事は有り得ないわよ。恋愛もパワーが必要ですからね。私は気持ちは元気なんですけれど、現実にはもうきっと年々体力が落ちて行く年齢だと思うわ。でもそれは自然現象ですからね。

セージ《MAMAがつけているのが嫌になったら、何時でも言てくれよ。悲しいけれど、その時は俺が外すからさ。これはお守りにもなるそうだからね。

だから付けて置いて欲しいんだ。今俺の中で何かが生れたような気がして、落ち着かない時なんだ。着けてくれたら、何だか落ち着くような気がしてるんだよ。

SUGARMAMA《わかったわ。私はとても気に入ったデザインのピアスですから、ありがとう。今は遠慮無く頂いておくわ。

私も嬉しいプレゼントですし、セージもそれが良いのならね。でもきっと、皆に言われるわ。“又ピアスする様になったなんて！どうしたの？ってね。

そうしたら、名前は出さないで、ある人にもらったのよ。”ていうわよ。場合によっては買いとるからね。その方がスッキリするでしょう。

セージ《うん、わかったよ。俺は別に名前出されても問題ないけれど、そう答えた方が皆の暇つぶしの話題になるだろうからね。

それじゃぁ、俺部屋に戻るから...。お邪魔しました。

SUGARMAMA《ありがとう。それでは、また明日ね。

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セージ君は石の意味の言葉を、工房の人から聞いたばかりでした。ホワイトダイヤは『永遠の愛』と言う意味で、プロポーズする時などや大好きな人に贈る宝石なのだと聞いたのです。

偶然だったのですが、それを聞いて、何だかもしかしたら、自分の運命の人はSUGARMAMAなのかもしれない？と思ったのです。

でもその気持ちは初めての気持ちですし、よく言う『恋愛』の感情とは、少し違うような気がします。小さい時の初恋は、皆小さい時にと言うのも、彼にはよく解らない話です。

ナルシストなのか、ただ産まれて初めて自分以外、家族以上に、こんなに大好きだって思う人に逢ったのは初めてです。

先の事は判りませんが、嫌がらずに受け取ってくれたので、とても満足です。石の意味を聞いたので、お守りとしてでも、自分の気持ちは伝わるのでは無いかと思い、取り合えずモヤっとした気分が、落ち着いたようです。少し前からセージ君は自分の心に気が付いて、時々チクチク痛む時が有るのに気が付いたのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　storyteller🐑