『2016年春』移民して4年目・Nanがやってきて今日は帰国です。

少し春の気配もして来た頃、Nan(祖母）が初めて遊びに来ました。長距離外出には、介助が居た方が良いのですが、此処へは飛行場まで送ってもらい、此処に来たときは、マルベリーさんが迎えに行きました。

超高齢者ですが、まだまだ元気で、Cafeに寄りたいと言うので、お茶のみに立ち寄りました。2泊3日予定です。話しているうちに、今夜はセージ君宅に泊まることになり、次の日はミント＆マルベリー宅に泊まって帰国予定です。

日頃は孫娘たちといつも電話でお喋りですが、今日は顔を合わせてのおしゃべりに、とてもうれしそうです。早速セージ君の所に泊まった時の話で盛り上がっています。想像していた以上に、セージ君はとても幸せそうに暮らしていました。今まで見た事が無い位、Mrs.Sugarを見る目は愛に溢れているのが、よく解りました。

男は愛する女性が出来て、守る心が出てきたら、本当の男としての責任や、義務が解り、仕事や学問に対しての心構えが変わって来て、本当の男になるのだと、Nanは思っています。愛されるのは女の方なのです。そんな事を今日はミントさん達と話して居ます。

Mrs.Sugarとセージ君はゆっくり休息日です。
　　　
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Mrs.Sugar《ねぇセージ、Nanはもう90歳以上なのに、まったく悪い所が全然無いみたいよね。杖を突いて歩く位で...。

私の方が、よっぽどボケまくっているわね。とても聡明な方ですし、考え方が若々しくて、あんなふうに歳を重ねていけたら良いわね。

セージ《Nanは優しいけれど、かなりマイペース人間だからね。爺さんが死んだ時だけ１週間くらい静かだったけれど、そのあとはもう凄く、パワフルに過ごしているよ。爺さんも数年前に、もうコロッと死んじゃってさ。

“人って、てんであっけなく人て死んじゃうんだ”って思ったよ。心臓が弱っていたけれど、まぁ９０歳くらいまで生きていたからね。
最後の言葉が“Nanより先でよかった”って言ったそうだよ。

凄い仲良かったからね。Nanが先でがっくりした爺の姿なんて見たくなかったからな。

Mrs.Sugar《そうそう、夫婦の妻が先だと、夫は結構長生きしないで、亡くなる人が多いって言うものね。女性は一時の悲しみで、結構元気に長生きする人が多いらしいんですってね。

セージ《そうなの？じゃぁよかった。俺は先にSugarが死んでしまう場合が、確率として多いから、その後一人になってしまったら、悲しすぎるよなぁ。

ま、だからさSugarがNanくらい長生きしたら、俺もそれなりの年齢になるだろうか
らさ、少し早い目って言われるかもしれないけれど、早くに迎えに来てくれよな。

ポプリさんみたいに、Sugarがゴーストみたいになって、家で待っていてくれれば、少しは良いかもだけれどさ。でも触れることが出来ないのは悲しいよ。

Mrs.Sugar《セージはまだかなり若いから、寂しかったら、誰か若い人と再婚すれば良いんじゃぁない？　子供も生まれて、普通の夫婦になるかもよ。　

セージ《Sugar本当にそう思っているのかい？俺ってただそれだけの、割り切れる相手なの？生きている時は、浮気は嫌でも死んじゃってからなら、誰かと再婚しても問題ない訳？俺は嫌だね。

男は一人ではいられないって言うけれど、もしSugarが死んでしまっても、離婚したわけじゃぁないんだから、生涯妻と言うのはSugar一人だよ。

Nanも言っていたよ。“Sugarでないとセージの妻は、務まらないでしょうね。急がせてしまったけれど、私が生きている間に結婚して、本当によかった”ってね。

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マルベリー《Nanも良くセージの所に泊まったわよね。狭いし、ベッドが無かったんじゃぁないの？どうやって眠ったの？

ミント《簡易ベッドでも病院から借りたんじゃぁないの？付添い用とかあるじゃぁない？まさか3人並んで寝た訳じゃぁ無いでしょう？

Nan《私一人で、セージ達のベッドで寝たのよ。なかなか寝心地の良いベッドだったわよ。ハーブの香りがしてね。３人で一緒に寝ても良かったかしら！

それも又面白いじゃぁないの。Ohohoho、、、、。意地悪婆さんね。

マルベリー《あらぁ、じゃぁセージ達はどうやって眠ったの？Nanもホイホイと泊まりに行ったりして...。厚かましい年寄りだって,Sugarに嫌われるわよ。

そうでなくても私達姉妹が側に居て、Sugarと仲良く話して居ると、セージなどは鬱陶しがって寄り付きもしないわよ。機嫌が悪いのよ。

ミント《考えたらそうよね。よく言うじゃぁない、夫の母親や女姉妹は嫁とは巧くいかないって言うものね。

でも私達Sugarとは仲が良いわよ。マルは前の結婚の時はどうだったの？

マルベリー《そうねぇ～。両親は問題なかったけれど、仲が良い妹と言うのが居て、あまり良い感じではなかったわね。

Nan《それはよく聞く話ですけれど、Sugarは大丈夫だと思うわ。あなた達とも仲が良いでしょう？セージがね、私が思っている以上に、Sugarの事が愛しくて、仕方がないのじゃぁないかしら？
セージ達がカウチで２人で眠っていたんだけれど、セージが本当に幸せそうだったわ。

Sugarが結婚してくれて、本当によかったわ。彼女の様に率直で、エレガントな所作の
女性は私も大好きよ。セージは女を見る目があったのね。

マルベリー《そうそう、まずは笑顔が素敵だと思ったわ。セージはほら何に対しても一見無欲でしょう？でも実際はすごい好みの注文が多いのよね。

だからそんな相手は、見つからないんじゃぁないかと思っていたのよ。男の子ですか
ら適当に付き合う相手は出てきても、前と同じで続かないと思ったわ。

でも見ていたら、彼女には恋しているとは、最初は気が付かなかったけれど、あんなにお気に入りの女性が居るとは！って、吃驚したわ。

Nan《私はずっと前におやぁ？って思いましたよ。あなた達から色々聞いていましたけれどね。それでも、彼女の大体の年齢を聞いていましたからね。恋しているとは、思わなかったんですけれどね。

でもダイヤを取りに帰ってきたときに、気が付いたわ！あんなキラキラした目で話すなんて！それに“ピアスをプレゼントしたいんだけれど、貰ってもらえるか判らないんだ”
って言う時の目はもう完全に恋していたわよ。

確かにセージは初めての気持ちで、年齢的にも恋している相手とは、気が付かなかったんでしょうけれどね。間が抜けた話よね。

マルベリー《今回見に来て安心したでしょう？でも、Nanも注文が多いのに、よくセージ達の狭い部屋に泊まったわよね。

ミント《本当よね。何処に寝るのかしら？って思ったけれど、余計な事言わない方が良いって思ってね。ありのままが見たかったんでしょうしね。

Nan《そうですよ。あんな狭いベッドに寝たのは初めてでしたよ。セージ達も狭いカウチに折り重なるように寝ていて、でもセージの寝顔は久しぶりに見ましたけれど、とても安心した安らかな顔して寝ていたわ。幸せそうだったわ。

Sugarには、私以上に長生きして欲しいわね。セージが残されてしまったら、きっと覚悟はしていても、ショックでしょうからね。
気にしだしたら、私はまだまだ死ねないわね。

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そんな話をして、午後の飛行機で帰っていきました。Nanとしては、一番気になる孫のセージ君のお嫁さんを見られて、本当に一安心しました。

先に無くなったお爺さんにも見せてあげたかったとも思いました。セージ君を早く結婚させたのも、自分が安心したかったからかもしれません。

更に1泊でも泊まれたなんて、どんなベッドであっても、とても素敵なお泊りが出来て大満足な旅でした。まだまだ元気に長生きして、更にセージ君夫妻が、本当に幸せに暮らしているのを見守りたいと思ったので“死んでいる暇はないわ”と思ったのです。
セージ君が言う様に魔女の様に、元気に長生きして暮らしていくでしょう。

                                                                        storyteller🐑