今日はDr.ターナー以外は全員教室で、それぞれに作業をしています。セージ君、エルダー君、フランツさんはメデカルリストバンドの高級品、ブレスレット型の制作をコツコツと作り続けています。
まさか、ウィルス感染症のパンデミックで、世界中が大変な事になるとは思っても居ませんでした。でもメデカルリストバンドは着けていたら必要な物として、利用する人が増えて来たのです。
しかし現実には、ハンドメイドですからかなり高額になるのですが、此処の会員患者は、ブレスレットスタイルが気に入って、注文がグンと増えてしまったのです。
これには必要なデーターがギッシリ詰まっていて、填めたら簡単には外れない様になっています。間に合わない人は、既製のメデカルバンドを着けていますが、注文は出来次第で良いと言っています。
彫金と同じような手作りの仕上がりなので、出来上がるには時間がかかりますが、希望者は多いのです。
周辺国はワクチン接種がなかなか進まないとか、収まったのかと思ったら、どうやら拡大傾向が増えて来た様です。『MRS1』は何処の国に居ても此処の病院と提携している病院なら、不調が起きたら駆け込めば、即カルテなどのデーターが読み取れるようになっています。
何回も検査して、その人の健康な時の状態が登録されているので、本人の自覚が出る以前に、異常が起きたら、小さなランプが点滅して、病院へ行くようにわかります。
GPS機能で患者の位置も判りますし、最も近い病院にも、警報が行くようになっています。信号の様にちょっとした異常と、即刻病院へ行く事を促す点滅の色が違うのです。もちろん本部の此処の病院も届きます。
そのような物を簡単な気持ちで作った、セージ君の開発品は、上層部の研究員の所に上がって、とても性能の良い物になっています。
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モリアーティ《皆忙しそうだよなぁ。セージも最初に思いついたのは大学の時だから、何年か前だろう。簡単なものだったそうだけれど、リヴェール教授もよく見ているよなぁ。
使えそうな良い物は、さっさと作り上げて、登録してしまうからな。その後に簡単なのが一般市場で売られるようになったからね。３歩くらい早くに、優秀なのを作って居たら、此処の患者の様に、特殊な人は飛びつくよな。
又セージも試しに作ってみたって言うけれど、よく作ったよね。思っただけならそれで終わりだったよな。セージのスケッチブックは、アイデアがいっぱいなんだろうね。
フランツ《もう商品化した物が、幾つもあるよ。ここにあるこの小さな洗浄機だって、Sugarさんの看護をしたから、ゴミを出さないオムツを今はマテリアルに移動したメィスが開発した時に、速攻で考えついて、作たんだよ。
そうしたらもう即上に上げて、完成品にしてしまったから、これは早かったよな。
滅菌もするし、汚れは粉末に変えて底に溜まる様になっているからね。綺麗な物だよ。一応前のリーダーのイリスの名前で提出したから、イリスがネームプレート貰えたんだけれどね。
モリアーティ《超音波なら超音波を伝導する液体は居るんだろう？
フランツ《それがさ、最小限で良い様に、洗浄機もコンパクトなんだよ。ま、ため込んで沢山洗うには、もっと大きなものが病院では使っているけれどね。廃棄物がごく少なくなったんだ。凄いエコにも貢献したんだよ。
やっぱりSugarさんの看護したから、出た考えだよね。
モリアーティ《へぇ。Sugarさんて、ガールフレンドかい？それとも家族の看護でもしたんだっけ？聞いたような気もしたなぁ。
出来れば入院するよりも、家で看護の方が回復が早いってね。療養所や、入院は気分が病人モードになちゃうだろうからね。但し看護する家族は、大変じゃぁないか？
フランツ《それはそれぞれの考え方でさ、側にいて看てやりたいって思えば、病院で付き添ったりするより、気を遣う事はないんじゃぁないか？
セージは３回くらい、毎年続けて看たから、もう慣れたよな？最初は風邪拗らせて、入院させるか？って言う話の時は、まだ試験勉強など、学生で忙しい時だったからね。
大変じゃぁないかって思ったんだけれど、却って一緒に暮らしていたから、様子が解って集中して勉強は出来たみたいだよ。人って、そうじゃぁないの？時間的に追われた方が、能率が上がるって事もあるんじゃぁないか？
看護で世話する事が、気分転換になったりしてね。俺はやった事ないから、想像で言っているんだけれどね。
あっ、そうだ、話違うけれど“期日は決めないけれど、ブレスレットの追加入れたいんだけれど...”って言われたんだけれどね。
“受け付けるのは良いけれど、今の早さで手一杯だよ。あまり急いで粗悪品は、作りたくないからって言われるぜ”って言って置いたよ。
セージ《そうそう、腕は２本しかないからね。余り装飾的過ぎるのは、無理だから！ジュエリーデザイナーじゃぁないしね。
自分達のは、趣味も込みで作ったけれどさ。見たら欲しくなるかもだけれど、メディカルデバイスなんだからね。此処の教室は特に小物専門になっちゃったね。
エルダー《そうそう、今はこれに追われているけれど、本当はオペ用機器とか、そう言った物の研究開発の教室にしたいって言うのが、ターナーの希望なんだよ。
たまたま最先端の『MRS１』を開発しちゃったのが一番のヒット作になってしまったけれどね。あっ、後はリハビリシューズとか、リハビリスーツや、セパレート型リハビリレギンスとかね。あれはもう日常的に、使われているよね。
フランツ《メィスが抜けたから、包帯や、オムツなんて言うのは、メイスが担当で、マテリアル研究室で作る事になったんだよ。
エルダー《卵殻膜入りのガーゼと包帯が出来たってメィスが言っていたなぁ。セージの話から、やってみる気になったんだよ。臨床試験でも結果良しで、やたらに薬はなしで良いみたいだよ。
アルフィが検査したって言っていたよね。本当に変な事セージは思いつくよなぁ？
セージ《あれもSugarが卵殻膜は肌に良いからって、顔に以前パックするんだって、張り付けていたんだよ。張り付けた見た目は凄い物があるんだけれどさ。
繊維質の物質で、タンパク質、アミノ酸組成の構造が人間の皮膚に非常に近いそうだよ。だから、薄皮を貼ると、自然に皮膚が再生するんだそうだよ。
だから、メィスにそれを利用したガーゼとか包帯作ったら良く無い？って言ったんだよ。なるべく化学薬品的な物は使いたくない方向に進んでいくならさ...。
“そうね、やってみるわ！”ってメィスは直ぐにやりはじめて、作って完成させたんだ。
フランツ《で、Sugarさんは肌が綺麗なんだね？メイクしていないって、言ってたよね。パックのおかげだったのか！
セージ《Ahaha、、、。でも、もうやっていないよ。あれやるのは殻膜剝がすの大変なんだよ。夫婦で殻膜取りして、卵好きとは言え、年中玉子食べていたんだぜ。後はCafeで使ったから、良かったんだけれどね。
Cafeでも卵のサンドイッチが多かったはずだよ。今はヨーグルトを時々パックして、もったいないからって肉を柔らかくしたり、野菜とかをヨーグルトのピクルスにしているよ。
フランツ《それに付き合うのも大変だよなぁ。セージもよくやるよ。でも愛が有れば苦にはならないか！
セージ《大丈夫。その前に飽きて止めるからね。そう言う所は、Sugarはあんまり執着心はないからね。俺の方が、あれはどうしたの？って思う方が先だよ。
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忙しくても、皆雑談しながら、手は忙しくです。それでも金属を扱っているので、適当に腕を休めたり軽く緊張を緩めるエクササイズをしないと、結構今は長時間作業なので、腱鞘炎になりそうです。
完全に今年いっぱいは、同じ作業に追われそうですが、みんな“そんな時もあるさ！”と割り切っているので、文句は出ません。むしろ、かなり収益を上げているようなので、これで又何か研究開発などしたい時の予算は、十分に貰えるでしょう。
Dr.ターナーが、そう言う所はしっかり管理して、皆が好きな研究が出来たり、時間も休みが取れるように考えてくれている様です。
当然失敗もありでしょうし、フラフラ遊んでいる時も有りなのです。気持ちよく仕事をしてもらった方が、結果効率よく働いてくれるのでかなり自由です。皆自己管理に任されています。
storyteller🐑
