庭で休憩中に昔話です

今日は、モリアーティ上級研究員の、仕事の手伝いが有ると言うので、セージ君は教室に出て行きました。
今はプランテーションの電気を、新しいLEDに変えたので、ついでにもう少し、人力発電関係の開発をしようと言う話が、持ち上がりました。

ターナー教室と、メディカルシステム工学生体医用システム工学の、ヘリオット教室が共同プロジェクトが今年は研究する事になったそうです。

世界のニュースなど見ても、今年感染症が収束するのは、難しいだろうと言う事で、気になる守りの体制を整える事をしようと言う事にしたようです。

少々本来の研究とは外れるのですが「皆が健康な暮らしをすることが、一番大事だと言うのが医療である」と言うのが、基本の考えです。

それで、色々な技術を持って居る研究員が多いので、通常の医療機器などは、少し置いておいて、全ての元になる自然エネルギーをなるべく使えるように、早急に研究開発する事にしたのです。

通常では無い今だからこそ、頃合いだと言う事になりました。

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Dr.マロウ《まぁ、今年いっぱいは、100％収束はしないだろうなぁ～。いち早く此処は、以前の総合病院から会員制療養所付属病院って事にしてしまったから、サポートはするけれど、それ以上の協力は、スルー出来たから助かったよな。

アレン《それでも、何かと遠隔サポートなどが多くて、かなり忙しいからなぁ～。何処かで線引きしないと、こちらが参ってしまうよ。

あらゆる検査の指導のサポートが有ってよぉ～。検体は危険だから、絶対に送って来ない様にだよ。

その分、沢山依頼を受けているからなぁ～。もう皆フル活動だぜ。なぁアルフィ。お前も忙しいだろう？

モリアーティ《ま、こんな時期だから、プランテーションの電球から、教授達と話して居て、自然エネルギーで何とか安定して、まかなえるようになったらってね。

セージの「MRS１」だって、最初はちょっとした思い付きから、ブレスレット内の、人力発電装置を煮詰めようって事になったんだろう。

セージ達のアイディアは頂きなんだけれど、経験値はどうしたって低いから、俺達とヘリオット教室との共同プロジェクトになったんだ。

Dr.ターナー《でもよぉ～結局は、医療関係の分野が、最先端科学を必要ともしているから、研究開発に取
りかかるのが早いんだよな。

病気の治療以前の、人が健康に暮らして行く事を考えないとならないからね。エコで害の少ない暮らしを考える事になるからなぁ～。

俺が此処の大学へ編入してから、もう１０年くらい経ったんだけれど、今の状況は考えもしなかったよなぁ。

やたらに勉強させられてよぉ。週末にちょこっと皆で集まって、酒飲んで話するくらいしか、ゆっくりする時間が無くてよぉ。

セージ《Sugarからこの間聞いたよ。今年の２月３日で、一般人の入国９年目になるんだってさ。

第一次移民で、シャノアールとSugarは入国して、手続きを待っている間に、隣り合っていたから、お喋りしたのが知り合った時なんだってさ。

エルダー《そう言うのって、男も話をする時も有るかもだけれど、女は結構直ぐに話をする仲になるんだよな！その場限りの話し相手で...。
だから仲良くなるとは、限らないようだけれどさ。

Dr.ターナー《以前は今より、更に手続きや、軽く健康チェックを、丁寧にのんびりしてからの入国だから、かなり待たされたんじゃぁないかな？

大学院生などは、実習にもなるから、メディカルチェックの手伝いをして、許可がおりた人達は、センターポイント内のホテルに、まず滞在して、それから自分が住みたい家を探したんだそうだからね。

セージ《そうか、その頃はターナー先輩しか此処の大学に居なかったの？　でも無いか、アレンやマロウさん達も学生で居たんだっけ？

エルダー《フランツはずっと後から、俺達がスイス大学の研修に行った時に、知り合ったんだっけね？

フランツ《その前にリヴェール教授が、セージが開発した物が“かなり使える物だから、勉強会をして、早い目に仕上げて、使えるようにしよう”って事で、勉強会で集まった時に知り合ったんだよ。

セージが”早く帰りたい”って言うから、軽い勉強会と思ったら、意外に出来が良い物だったんだよ。

その勉強会で”もうちょっと一気に纏めてしまおう”って教授が言うから、セージが機嫌が悪くなってよぉ～。

”約束が違うから！”ってね。それを何とかなだめて、確か２日間徹夜で、ほぼ完成近くまでにしたんだよ。

皆交代で仮眠取ってな。”物は置いて行くから、後はスイス大学で好きにやってください”ってセージは帰る気満々だしね。

教授は本人からもっと話を聞きながら、カタを付けたいしでよぉ。なだめすかしてだったなぁ・笑
偉い若い開発者だと思ったら、2～3年スキップして入学したそうだって聞いて、納得だったよ。

モリアーティ《全く俺達には知らない時代だね。俺はまだ医療機器メーカーの技術者で、機器にくっ付いて出向してきた技術者だからね。多分その頃は違う国で、研修兼ねて先輩にくっ付いて、仕事していたよ。

アルフィ《俺はBiomedical Scientistの修士号しかとって居ないんだけれど、今後はアレンみたいに学士号を、取らないとなんだよ。

多分これからも、必要が出てきて、それ以外にも、資格が幾つも有るから、最終的には全部取らないとだよなぁ～。

国によって、内容は違うんだけれど、学士号取るには最高スコア９９９で、４００以上で合格なんだ。

資格とっても、皆もそうだろうけれど、３年ごとに更新試験があるしね。

学生の時は、ま、あんまり深く考えて居なかった時だね。本当に俺も、お子ちゃまだったよなぁ～。

”卒業したら国に帰るかも...“って思って居たしな。こんな何もない国に、居座る気は無かったんだよな。

Dr.マロウ《俺も途中編入組だけれど、此処の事は気に入って居たし、教授陣も良いから、此処にいるつもりだったよ。

居心地が良い国だし、此処の国の大学に編入してよかったって思ったからね。以前は休みの日は、国外に簡単に遊びにも行けたからね。

付き合っていた相手がいたんだけれど、なかなか会う時間が少なくてね。しびれ切らした相手が、週末とか時々会いに来て、ホテルに滞在したりしたことも有ったんだけれど、それでもゆっくり過ごす時間もあまりなくてね。

“もし結婚しても今の生活とは、あんまり状況は変わらないと思うよ“って言っていたのが、よく解ったようで、別れたんだよ。普通のビジネスマンの、家庭が希望だったからね。もしくは開業医になるとかね。

期待させたら、かえって可哀想だろう。国に戻って家を継いで、開業医などになる気はなかったしね。
此処の方が魅力的で、面白かったんだよ。主に勉強と研究なんだけれどな...。

メィスも同じ様な考えだから、付き合い始めて、一緒に暮らす事にはしたけれど、結婚する予定は無しなんだ。

彼女の自由にしてあるんだよ。

モリアーティ《Oye, ¿no es una condición difícil para una mujer española?Me amas todos los días.
の国出身だろう？

アレン《スパニッシュは確かに魅力的で、情熱的だからなぁ。ま、今の状態が正しい選択かもな。

生真面目で、マロウは自分の歩く道を決めたら、変えたくないだろうからね。

よく考えて此処へ来たんだろうからな。俺でさえ、ローリーと此処で知り逢って、暫く付き合ってから、よく話し合って結婚したんだぜ。

ローリーは今の状態が、一番良いみたいだからね。童話作家としての勉強も、する時間が有るし、半日はCafeで好きなパン焼きも出来るしね。

パン屋の娘なのに、家に居ると大きなパン屋の娘だから、パン焼きする必要がない暮らしだから、此処の方か気が楽だそうだしね。フランツ《皆、ここで出逢って、カップルになったり、結婚したものは状況が解って居るから良いとしても、環境的にも、完全に合うか合わないかがあるよなぁ。

俺だって、俺は此処の暮らしは凄く気に入って居るから、此処で仕事をして過ごしたいし、でも付き合い始めたビアンカは、明るくて楽しいガールフレンドだけれど、ずっと此処で暮らせるかどうかなぁ？

ま、研究員だし、メィスと仲が良いから、思っているよりも、無理なく暮らせているのかもしれないしな。

セージはもう最初から、此処の大学に入りたい希望が叶ったし、Sugarさんの側に居たい以外は、考えて居ないんだろうからな。

ま、お前も若いから、先の事は判らないけれどよ。

セージ《何だよ。先の事は判らないって、俺がSugarと離婚でもすると、思っているのかい？

俺の方からは有り得ないと思うよ。巻き込まれ事故などでSugarを失いかけて、２回自宅看護する度に”絶対に失いたくない人だ“って思う気持ちが強くなったんだぜ。

挙句俺まで事故に遭って、一度は死んだのに、ラッキーが重なって、今こうしているのが幸せだし、Sugarと一緒だから、お互いが同じ方向を見て、生きている意味があるって思うんだよ。

俺信心深くないけれど、きっと神様が２人は一心同体の相手だって、決めた同士だって思っているんだ。

最初から偶然が多すぎるんだものね。出会うまでの出来事も、同じ時間を過ごすごとに、ジグソーパズルみたいに、パシッとはまっていくような気がするよ。

良い事も悪い事も、今の為に経験する必要が有ったんだって、思えるんだよね。

始めて出逢ったのでさえ、Sugarに出逢う為に、ミントが居るから１日だけと思って、此処に立ち寄ったのも、何でそのような気になったのかだって、気まぐれでとしか思えないしね。

結局俺は１日でなくて、夏休みが終わるぎりぎりまで、１ヶ月近く滞在してしまったんだよね。

生れてはじめて、アルバイトって言うのをして、何となく入学案内まで貰って帰ったなんてね。

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そんなで、昔の此処の大学の様子や、研修会その他の話を、昔を知らないモリアーティ上級研究員達に話したりして、休憩は終わりました。

思い返せば、いくら若くても、セージ君達でさえ、月日の経つのは凄く速かったと感じます。

穏やかな時間が過ぎる国ですが、セージ君にとっては、平凡に過ぎて行った暮らしでしたが、Mrs.Sugarに出逢ってからは、突然ドラマチックに人生が変わって行った数年でした。

生命にかかわる一生分の辛い経験が、濃縮されて毎年秋から冬は、大変な経験をする暮らしだったのです。しかし、世界は今大変な事になりましたが、セージ君は何の根拠もないのですが、乗り越えないとならない困難は、もう暫く無い様に感じるのです。

肝も据わって、本当に大人の男性になったのかもしれませんが...。看護経験も何とかやりこなしたので、Mrs.Sugarの老後の介護が出てきても、自分で看られると確信しています。

もともと幼い時に鍛えられて我慢強いし、穏やかな雰囲気ですが度胸も良い？ 性格なようです。
唯一Mrs.Sugarだけがセージ君のアキレス腱で、 急に自己嫌悪の元でもあって、情けなく女々しくなってしまう様なのです。余りにもセージ君好みの相手だったようです。人は自分でも気が付かない、色々な面があるのでしょう。

                               storyteller🐑