季節はあっという間に過ぎて、2015年の初夏は受験です。

今冬はとても寒い日も有りますが、今日は暖かな日差しを感じるので、ミントさん達は保育室から子供を連れだして、公園でお喋りです。患者さんの子供なども一緒に行きたがる子が居たので、保育士さんが一部連れて一緒に出てきました。

今日はミントさんとマルベリーさんが、空き時間が合わせられたのです。マルベリーさんも早朝からランチタイムまで、5時間リヴェール教授の事務処と秘書の仕事があるのです。
ロックダウンしている国が多い今の方が、仕事が忙しいのです。

でも今日は、重要な仕事はないので、今はそこそこ秘書の仕事が、こなせるようになったイリス君に任せて、休みをもらいました。
　　　　
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Mme.シャノアール《まぁまぁ、随分たくさんのおちびさん達で、どの子がどうなのか判らないわね。

マルベリーさんも仕事復帰したそうで、双子ちゃんだから、忙しいでしょう？

マルベリー《一時はね。でもウィルもよくやってくれるし、育児室にも預けたり出来たから、まぁ自分が双子だからか、結構楽しくやっているわ。

ただ、男の子だから、乱暴な遊びが結構好きなのよね。そう言う時はやはり高齢出産は、疲れるわねぇ。ウィルが休みの時に、ポーンと放り投げて、落ちてきたら受け止めて貰ったりして大喜びよ。

ミント《そうなのよね。ラズリーなんてセージと、たまぁ～に出逢うと大喜びでね。

セージは子供は、あんまり好きじゃぁないから、不愛想なのに、ラズリーなんて大好きなようで、叔父とは思わず大きい兄か、友達みたいに思っているみたいよ。

スコットなどより、よっぽど一緒に遊びたいみたいでね。気をひいて少しでも遊んでもらいたいと、一生懸命お気に入り玩具など持って行って、貸してあげたりするのよ。

ゲームとかなら、セージは直ぐに上手に点を取るから、憧れて居るみたいよ。

ジャンティ《ミントさんちの子は、泣き声が凄いっていう子だろう？聞いたことないけれどさ。
セージ君が“歌手にしたら、マイク要らないんじゃぁないか”って、言っていたよね。

えっとぉ～、どの子だい？沢山居ると解らないよなぁ～？

Mme.シャノアール《馬鹿だね。ブランコの奥で、女の子口説いている子が、ラズリーくんだよ。女の子は他所の子だろう？

彼は誰に似たのか、プレィボーイの素質ありで、Sugarの事なんて、もう大好きで“Sugar愛しているから、僕が大きくなるまで待っていてね！”なんて今から言って、セージにデコピンされているんだよね・笑

ミント《Sugarは、意外と年下男性からは、魅力的な女性に見えるのかしら？　Cafeのお客さんも、若い男性はSugarが、お気に入りの人少なく無いわよ。

だからセージは、結婚した後は早くにリタイアして欲しかったんじゃぁないかしらね？
あいつは意外と焼きもち焼きなのよ。

私達が義姉妹の女同士で、Sugarと盛り上がって話をしているのも、余り機嫌は良く無いんですものね。まったく、そう言う所は、馬鹿よねぇ～。

マルベリー《そうですけれど、あの子が居たから、私もウィルと出逢って、バツイチ同士なのもあったけれど、思い切って再婚する気になったのよ。

あんなにまっすぐな気持ちで、人を大好きになるなんて！でも、それが恋しているって気が付くまで、かなり時間がかかったのが、笑えるんですけれどね。

きっと年齢が凄く離れていたから、単に大好きな人としか思わなかったのね。もう少し年齢が近かったら、異性の人だって、意識したかもしれないけれどね。

うちは、クランだけが同年代の人と結婚したけれど、後は皆数歳年上妻ばかりでしょう？DNAなのかしらね・笑

Mme.シャノアール《あの頃はまさか、このちびっ子が居る、今の暮らしは、想像もつかなかったよ。

此処の人達の子供は、皆寄宿舎に入っている人ばかりだから、長期休暇は海外で過ごす人が多くて、あんまり子供は見かけなかったよね。

あなた達の子が、此処で生まれた国民第一号だよ。え～とイリスの家の子は、居ないんだね？

保育士《此処にいる赤毛のローアンが2番目に年子で生まれた女の子ですよ。ピンクのベビー服の女の子がローズさんの子供のプレールですよ。

ローズさんも、姉妹2人で第二次位の移民で此処へいらしたんですよね。

売れっ子のファッションモデルだったそうで、今でも若々しくてとっくに30歳過ぎた人には見えませんわよね。

私は此処の学校の看護科を出て、保育士の免許も取って、育児室が出来てからは、ナースから育児室勤務に変えてもらったんですよ。

子供の側に居ると、元気が貰えますからね。ですから、私は2015年に大学に入ったんですよね。

夢いっぱいで、若かったわぁ。此処に勤務出来て良かったわ。運が良かったんですね。８～9年って、何が起きるかわかりませんわね。

　　　♥～～～2015年の冬物語になります～～～♥

Mrs.Sugar《あらあら、セージ君はもう冬休みに入ったの？今年はもう来られないかと思ったわ。受験勉強ももう凄く大変でしょう？いよいよ受験でしょう？

セージ《え～と、まぁ勉強はちゃんとやっているよ。でも俺はここに来た方が、捗るんだよね。
何人かの知り合いになった人達から、試験の傾向とか聞けているからね。

学校の勉強は、きちんと出席して、試験範囲も授業を聞いている範囲だけだからね。解らないのは、この大学の出題はどういう感じのものかなんだよ。試験は２～３月に終わって、受かれば入学手続き済ませたら、ファンデーションコースで、入学前にゼミ受けたり色々出来るんだよ。

空いている時間に聞いて置けば、何勉強すれば受かりやすいかわかるだろう？

ミント《そう言う所は、セージは要領が良いのよね。長男だけれど4人姉弟の一番下だから、調子よく人を使うのも巧いのよ。

人の性格見て、頼み事などしてくるんですからね！つい乗せられて、やってしまったりするのよ。

そう言う頭は良かったのよ。おバカな事やっているんですけれどね。此処の受験だって、Cafeでアルバイトしたいからだなんてね。確かにそれしか滞在出来ないけれどね。

ミント《でも、もし受かったら、セージも多分良い人生を送るんじゃぁないかって、言う気がして来たわ。

今みたいに真剣に勉強しているセージは、初めてみたのよ。結構要領よく、此処で無かったら国のそこそこの国立大学へ進んで、適当に卒業してお終いだったでしょう？

長男としての役目さえ果たせば、適当に趣味人とかになるだけの暮らしの、つまらない人生だったように思うわ。

此処の大学に入れたら、勉強づくしで、かなり勉強しなくてはならないでしょうけれど、一番上等な教育受けて、興味を持ったら、皆楽しそうに勉強しているわよ。

後は合わない人は、終了まじかなのに、辛くて中途退学者も少なく無いそうよ。勉強は出来ていても、１人コツコツ勉強漬けの、孤独に耐えられなくなって！ですって...。

勉強が出来ても、楽しく勉強する人と、追い込んで自滅しまう人と居るみたいよね。

セージ《俺は入学したら、目的に向かってスタートだし、終わりがない目的みたいなものだから、多分勉強が辛いって事は無いと思うよ。

結構調べているけれど、俺が専攻したいのは、勉強範囲は広いんだけれど、面白そうだもの。
成績がビリだって気にしないよ。皆が頭良い人ばかりだって、よく解っているからね。

ベストはつくすけれど、時間が空いた時は、楽しくCafeでアルバイトだよ～♪

Mrs.Sugar《うちはむしろ、アルバイトに来てくれたら助かるけれど、そんな暮らしでも良いのかしら？

セージ《いいんだよ。アルバイトさせてくれたら、俺はそれが一番の目的だからね。その為に此処の大学受けるんだからね。

ま、受かったらだけれどだけれど、一発勝負が一番楽な受験なんだよ。何でも、何回もトライするようだと、それだけ精神的に大変になるもんだよ。

ミント《あっ、そうなの？私にはよく解りませんけれどね。先ずは受からないとね！受からなかったら他の大学にでも行くの？

必死に勉強したのは、セージ位じゃぁないからね。だって日頃の勉強の様子とかで、推薦状書かれるでしょう？
イリスも一緒に受けるんですって？　まぁあの子は秀才だし、お姉さんのメィスが、もう居るからねぇ。

セージが落ちてイリスが受かる可能性の方が、高そうだわね。

Mrs.Sugar《運もあるでしょう？試験て運が良ければ、自分が得意な部分の事が出て居たり、たまたま、ちょっと飛ばしちゃった所が出たりもあるでしょう？

受かってくれたら、此処のアルバイトは助かるわね・笑

セージ《何の根拠もないけれど、俺は受かるような気がするんだよね。だって、もう自分の未来のイメージが、勉強をやり始めた時に、此処でアルバイトしながら通
学しているイメージしか浮かばなかったもの。

睡眠不足はちょっと辛い時があるけれど、そう言う時は無理しないで、寝ちゃうんだよ。
少し寝るだけでその後は、スッキリするって判ったよ。

やたら頑張って起きて居たって、頭の中には入って居ないんだよ。イリスが受かっちゃったらって思うと、癪だから俺は絶対に受かるつもりで、かえって気合が入るんだよ。

ミント《ま、貴方の人生ですから、やりたい事はやるだけやったら良いわ。どうせそう思ったら、やるんでしょうしね。

万が一落ちても、トライしなかったよりも、納得でしょうしね。よくお爺様が言っていた通りよね。

”失敗しても何もしないより、得ることが多い場合もあるからな！男なら人生、何度か勝負しないとならない事が、あるもんだ。負けてもウジウジするんじゃぁないぞ“ってね。セージは結構お爺様に似ているのよね。

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そんな話もMrs.Sugarの部屋で、話した事もありました。セージ君の家ではお爺様が、とても厳しい躾けをする人で、男子は3歳になったら、ジェントルマンとして恥ずかしくないだけの基本の躾けをするのです。

セージ君のDadも同じだったそうです。寮生活に入る10歳までしっかりと、マナーから乗馬、フェンシング、ボクシングなどの格闘技、水泳、ポロ、音楽その他パーティでのマナーや、語学、性教育、カードゲーム等々をぎっちり躾けます。

セージ君は未熟児で13～4歳くらいまで、華奢で小柄な男の子でした。ですから、精神やその他は強くなるように、心配して鍛えたのでしょう。

”男は絶対に泣き言を言ったり、見苦しく泣くな！“と言っていたそうです。きっと幼いセージ君は、かなり辛い時があったでしょうが、忍耐強い泣かない子に育ったのです。
それでもいじける事も無く、穏やかで明るい性格でもありました。海外での3歳は生まれたら直ぐ1歳ですから、日本なら2歳です。そんな厳しい祖父でしたが、寝る前はしっかり抱きしめて、優しくKissをしてくれたそうですから、愛情は伝わっていたのでしょう。

解っても判らなくても、きちんとした言葉で、教え込まれたのです。時代が変わって、セージ君が大きくなる頃には、昔ほどジェントルマンに拘らない様になってきましたが、躾けられたお陰でどんな事に出会っても、オロオロする事はありませんでした。

ですから、とんでもない大学受験に対しても、何の不安も持たずに受験を決めたのでしょう。実力では落ちる心配が全くなさそうな、秀才イリス君の方が、かなり緊張して不安があったようです。

　　　　　　　　　　storyteller🐑