ローズさんはシェルター内の暮らしを身振り手振りで話します

ファッション講習会なども暫くお休みという事になりました。Mrs.Sugarはセージ君を送ってから、マダムシャノアールの店に寄りました。

マダムシャノアールはMrs.Sugarが来るのは、何時でも大歓迎の仲良しです。同じ日にこの国に移民して入国したのです。手続きの順番を待つときには、2人でお喋りしながら、待った仲です。一目見て2人は気が合いそうだと思ったのです。

片言のMrs.Sugarの英語と、まだフランスなまりの英語でのお喋りですが、とても楽しく話せました。今では2人共かなり綺麗なクィーンズイングリッシュです。

リヴェール教授は、かなり緩い事もOKですが、男女関係と言葉使いだけは、きちんと場所を考えて、正しく話すには注意します。

今日もかなりポカポカ温かい日なので、マダムシャノアールの店で、日光浴兼ねてお喋りです。
ジャンティ君達にシェルター内の話を聞いていたら、ローズさんが荷物を取りにやってきました。
Mrs.Sugarが居るのを見ると、ローズさんもお喋りの仲間入りです。

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マダムシャノアール＼あらっ、いらっしゃい。ローズの荷物来ているよ。順調に売れているみたいじゃぁない？

ローズ＼お陰様で！何だかシェルター暮らしになった方が、皆さんハニーソープとか、ハーブのボディソープとか、よく売れるのよね。

今度入浴剤みたいなのも、仕入れ増やしてみたのよ。

ジャンティ＼あぁ、良いかもね。何だかさ、大気汚染って言われたら、ハーブとか何もかもが汚染されているんだろうけれど、なるべく化学薬品や、色々使われている物よりも、植物性とかナチュラル感のあるものが魅力的に見えるんだよ。

ルナル＼気休めかもしれないけれど、なるべく汚染源は出さないように、気にかけているのよね。

Mrs.Sugar＼それは良い事よね。ほんの僅かかもしれないけれど、此の国だけでも気を付けたら、その輪が広がると良いのにね。

マダムシャノアール＼まったくSugarときたら、何時も気楽にそんな事言うけれどさ、それが出来るくらいなら、今みたいにはならなかったんじゃぁないのかい？

ハッキリ自分の考えを言える人が多いんだけれど、そんな人達を纏めるのは、並大抵な技量では出来ないんだよ。

やっぱり、頭角を現す人は、半端なく個性的だったりするだろう？国民も皆納得しなければ、大人しく黙って従わないしさ。

日本人はその点、指図されないとやらない人が多いって聞くけれど、まぁ管理しやすいよね。
でもさ、それも又どうかと思う場合もあるだろう？

此処は例外的に、飛びぬけて個性的な勉強好きが集まったんだよ。

だからリヴェール教授やDr.ローソン兄弟みたいに、しっかりした精神の者でないと、纏められないだろうね。

だけどさぁ、感心するのは皆、本当に頭が良いんだね。どうする事が良いのか理解できる頭があるんだよ。

だから、せっかち気味なリヴェール教授の指図だけれど、誰も文句言わずに、動かなくてはいけない時は、迅速に動くじゃぁないか！

ローズ＼私も良い時期に、此処へ戻ってきたわ。まだ、良い仕事があったんだけれど、マリーに“欲張らずに限がよかったら戻りましょう”って言われて、私も珍しく素直に聞く気になったのよ。

それにね、あなた達には見られちゃったでしょう？　私の心の中にはターナーが、ずっといたのよね。完全無視だとは思って居たんだけれどね。

他の彼と付き合ったりしても、何かの時には彼の笑顔や勉強している姿や、色々が思い出されてね。

馬鹿よね、私らしくないわ！笑顔だって私に向られた笑顔ではないのよ。一度だって、私に笑顔を見せた事はなかったのにね。

何時も一方的に私が、なかば強引に付き合わせただけだったのよね。でもついに彼も、3回目にはもうこれ限にしてくれ！ってね。

Mrs.Sugar＼ねぇローズさん、今は同じフランス人の研究所員の、クローネさんと仲良くしているでしょう？　お似合いじゃぁないの？とても楽しそうですし...。

貴女らしくないわよね。愛していたら相手の事を思わないとね。嫌いで付き合っているとは思えないんだけれど？

Mrs.Sugar＼もうクローネさんとは、恋人同士と言ってもおかしく無い感じがしたわよ。気のせいだったのかしら？

ルナル＼同じフレンチの私達が見ても、2人はもう恋人同士って言っても、おかしく無いくらいに思って居たわ。

ジャンティ＼なんだ、愛し合っている訳じゃぁないのかい？嘘だろう！

ローズ＼多分愛し合っていると思うわ。その内一緒に暮らすと思うわ。

やっと最近ターナーの事を諦めて来たのよ。でも見かけちゃうと、やっぱり彼は素敵じゃぁない？

Mrs.Sugar＼そうよね。彼はなかなか素敵な人だわ。冷静なだけでなく、とてもやさしいしね。手に入らないと思うと尚更が、ローズさんですものね・笑

お気の毒だけれど、でも絶対に貴女と付き合う事は無いと思うわ。嫌われないうちに離れた方が、この後人間関係は悪くならないと思うわよ。

病気になったら診てもらうでしょうしね。

ジャンティ＼えっ、誰かの事が好きだったのかい？クローネさんが恋人じゃぁなくて？　2人は凄く良い感じじゃぁないのかなぁ～。

ただ、シェルター内に暮らして居たら、デートする所はないよなぁ～。
外に出ないとね。センターに行くとかさ！　カップルには不自由だよね。

でもシングル用の部屋も、プライバシーは守れるから、部屋でデートでも良いかもしれないしなぁ！

マダムシャノアール＼ジャンはぺちゃくちゃ煩いんだよ！荷物の整理でもしたらどうなんだい？

最近はDr.ローソンも忙しいのか、見かけなくなったよね。よくミーティング開いているらしいわよね。

どうする事が良いか話しているんだろうね。工事は緊急に進んでいるそうだけれどね。

Mrs.Sugar＼一応緊急用のシェルターだったから、まさかずっとそこで暮らす事までは考えていなかったでしょうしね。

違う問題を意識してでのシェルターかと思ったわ。

 ローズ＼どんな問題であっても、シェルター内に暮らせるのは安心よね。

外気に触れるのはほんの少しだけで、センターポイントのビルに行くには、地下道を通って行けば、そのまま行き来出来るのよ。

ジャンティ＼でも、大概の人が外気が吸いたいみたいで、昼は外を歩いているよ！

シェルターの中ばかりじゃぁ、何だか息詰まりそうな気がするだろう？

マダムシャノアール＼そりゃぁ、そうだろうねぇ～。本当はシェルター内の空気の方が綺麗な空気なんだろうけれどさ。

気分なのかねぇ～。外は気持ちが良いわよ。

Mrs.Sugar＼そうそう、病院の中の空気とシェルターの中は同じ匂いなのじゃぁないのかしら？

消毒済みたいな匂いじゃぁない？　マリアンヌさん達、医療関係者の人は独特の匂いがするでしょう？

私は、新鮮な大気汚染だらけでも、外の空気を胸いっぱい吸いたいわぁ～。

ローズ＼体臭でなくて？別の匂いがするのかしら？でも医療関係者は、香り物は避けているわよね。

病人には嫌な匂いかしらねぇ？クンクン、、、、。

ジャンティ＼Ahahaha、、、ローズさんは、何時もセクシーな匂いだよ。病院の匂いは俺判るよ。

届け物などで病院へ行くからね。病院の匂いって独特でさ、消毒液の匂いかな？嫌な臭いではないけれど！

Mrs.Sugar＼そうそう、私入院したから判るわ。ドクター達も皆、病院の匂いがするのよね。でも私嫌いな匂いではないわ。

匂いって言うけれど、反対かもしれないわ。匂いがしない匂いってうのか・・・。

何だか言い方が変ね。私ったら！Ahahaha、、、、。

ローズ＼Sugarは、凄く鼻が利くものね！調香師にでもなれたかもしれないわよ。

特別な人しかなれないのよ。普通よりも鼻が良くないとね。
ほら、昔からSugarは私とマリーを間違わずに、匂いが違うって見分けていたでしょう？

ジャンティ＼まるで、犬だね・笑　でも便利だよね。鼻が良いのはさ。

シャノみたいに匂いに鈍感だと、傷んだ物に気が付かない時があるんだよ。

Mrs.Sugar＼あらっ、そんなに鼻が利かないの？

マダムシャノアール＼失礼しちゃうわね。確かにちょっと性能はあんまりよくないみたいだけれどね。

最近は自分で気が付いたよ。

ジャンティ＼シナモンティを入れたんだけれどさ、結構シナモンをたっぷり入れちゃって、皆に言われたんだよ。入れ過ぎは美味しく無いってね。

ルナル＼何でもほのかに香るのが良いのよ。プンプン匂うのはねぇ～。

ローズ＼私がせっかく良い化粧品や、パヒューム付けているのにSugarったら、さりげなく離れるんだからね。

セージもなのよ。あの子は昔から、凄い露骨にスゥ～と離れるのよ。

Mrs.Sugar＼あらっ、気が付いた？別にローズの事が嫌いな訳じゃぁないのよ。

でも長い事嗅いでいると、私は気分が悪くなる時があるのよ。セージも同じだって！

昔2人で言い合っていたのよね。そうすると、ミントが文句言うのよね・笑　
彼女も化粧品は結構使う派ですからね。　

“まるで、変な臭いのものつけているみたいじゃぁないの！感じ悪いわ”ってね。

ジャンティ＼俺はローズさんの匂い好きな匂いだよ。ちょっとセクシーでさ・笑

ルナル＼ジャンったら、厭らしい事考えているんじゃぁないの！

ローズ＼私、前はタブーって言うパヒューム付けていたからね・笑　男性は好きな匂いなのよ。

Mrs.Sugar＼わぁ、本当にそうなのかしら？　媚薬って言うのもあるって言うしねぇ～。

それで、男性たちを誘惑して、自然化粧品を売りつけているのね。でも匂いには好みが有るでしょう？

マダムシャノアール＼自然化粧品なのに、タブーで色仕掛けかい。まったく、その手に乗ってコロッと参っちゃう男も男だよね。

ジャンティ＼何だよ。媚薬が入っているパヒュームの匂いに反応したら、それが本当に自然化粧品でもあるだろう？　

何も感じなかったり、嫌な臭いって感じた方が、不自然化粧品じゃぁないの？

ルナル＼まったくジャンったら、最近屁理屈だけは一丁前になったわね。

ローズ＼シェルター内は、まるで学生の男子寮みたいな雰囲気だからね。

最も大人の独身男がゴロゴロしているから、気分転換出来て、学習能力が上がったんじゃぁないの？

Mrs.Sugar＼あらっ、良かったじゃぁないの。どんな理由であっても、学習能力があがるんならね・笑

ジャンティ＼さすがSugarさんは、偏見の目では見ないんだなぁ～。

でもさ、そんな匂い巻き散らかされたら、どちらかと言うと、学習能力は落ちるだろう？多分妄想が凄くて、集中力はなくなりそうだろおもうなぁ。

で、女性達からは大反感かうだろうしね。シェルター内は気密性が良いから、きっとあんまり匂いがすると、言われると思うよ。

マダムシャノアール＼Sugarは気にしなさすぎだよ。ジャンはもう少し教養が身に付くような事を学習すれば良いんだよ。それがさ、もう余計な事ばかり覚えるって言う感じだからね。

Mrs.Sugar＼Ahahaha、、、。セージが言っていたわよ。10歳になると、寄宿舎のある学校に入ったそうだけれど、悪い事はしないで、きちんとした真面目な暮らしをすると思うのは、寄宿舎を信じすぎる大人だけだろうって！

大体悪い事と性教育は、寄宿舎の上級生が教えてくれるんですってよ。
まぁ、西欧の子は早くに童話の本などで知っていたそうですけれどね。

3歳くらいのまだ恥ずかしいって思う前に、きちんと絵本や親から聞かされるみたいよ。

ジャンティ＼そうだよなぁ～ナーサリーでも教わるからね。大体3歳くらいになったら、男と女の体の違いくらい判るだろう？

何で？って思った頃に教わった様に思うよ。意味なんて分からなくても、結構記憶に残るんだよ。

だからその頃に、内容まで詳しく判らなくても、最初の話を聞くんだよ。

ローズ＼そうよね。大体ナーサリーに行った時に、着替えたり色々する時に、体の違いに気が付くわよね。

そして、それから大人の行動を見て、だんだん女の子は好きな男の子の気をひくようになるのよね。

男の子も又、それにこたえようとし始めるじゃぁない？でしょう？

Mrs.Sugar＼私は中学生になって、友達に聞くまでは何も知らなかったわ。

私の家は女系家族で、若い叔父だけしか男が居なくて、後はもう女ばかりいっぱいいたのよね。

更に夫婦もいなかったし、ハグしたりKissしたりの習慣も無い国ですしね。

そうそう、祖母が育ててくれたから、抱きしめたり頬ずりしてくれたのは覚えているわ。

親子よりもスキンシップはあったかもね。

マダムシャノアール＼呆れたねぇ～。何てぇ、国なんだろうね。きちんとした知識がなくて、よく問題が起きないものだよ。

噂では特殊な習慣とマナーの国だそうだからってね。

ローズ＼あらっ、でも私以前日本の香り袋って言うのを貰ったことがあるわよ。

とても良い香りで、着物を着た時に着けるとか？　ン？袖に入れるとかだったかしらね？

大体が着物と言うのが、凄いセクシーな服じゃないの？

ジャンティ＼へぇ～そうなのかい？そうそう、相撲レスラーや何とかカーニバルって言うのも多くて、裸の男が山盛りになって戦ってるのとかTVで見た事あるよ。

Tバックで、公衆の面前に居ても、皆平気な顔しているんだぜ。
あのほうが恥ずかしいと思うけれどなぁ～。

こむぎさんと少し話したら、人前でKissしたり抱き合う方が恥ずかしいんだってさ。

家族でさえしないそうだからね。第一あのこむぎさんて、話するのも嫌そうな顔するんだよなぁ～。

ウッディにだけは、嬉しそうに話すみたいだけれどね。

Mrs.Sugar＼本当よね。結構矛盾しているのよ。日本人の私だって、昔は日本が特殊な国って思って居なかったものね。

海外で暮らし慣れてしまうと、何処の国に行っても、結構男女や、家族の愛情表現はスキンシップが多くて、日本だけくらいじゃぁないの？　

マダムシャノアール＼まぁ、そう言う習慣になったのは、何かそうなる生活事情があったんだろうね？生活習慣と気候とか色々は関係あるだろうからね。

ローズ＼あらっ、シャノったら、随分教養がある言い方するのね・笑

単に紙と木の家に住んでいるから、夫婦のプライバシーとかがなかったんじゃぁないの。
だからひっそり最小限になったとか・・・

又話がどんどん変わっていってしまったけれど、男性用のシングルルーム辺りは居心地が良いのね？

ジャンティ＼あぁ、結構楽しいよ。シングルルームも、プライバシーは守れるように出来ているからね。そうそう、セージ君の部屋があるんだよ。

一番端の部屋が一応予備に幾つかキープされているんだよ。

ルナル＼女性用のシングルルームも、雰囲気悪くないわよね？ローズさんはマリーさんとファミリータイプでしたっけ？

中で逢いませんものね？何となく閉塞感が有るのは、空が近くで見えないからだと思うわ。
緑地帯が何とかなってきたら、随分違うでしょうね。
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開放的でないのは、シェルターですから、当たり前なのですが、皆結構巧く外にも出てきたりして、慣らしているようです。

実際はどのくらい汚染されていて、どうなっていくのかは、ざっくりとしか一般人は聞いていません。“良くないのは想像以上と思って居てください。”と言われているだけです。

それで皆何となく察して、あれこれ聞くものはいません。聞かない方がストレスにならないと感じるからでしょう。

Mrs.Sugarや、マダムシャノアールなどは、もう全く気にしないで、地震とかハリケーンとかの災害時以外は、外の暮らしでも全然かまわないと思っています。

多分他の同世代の人達も、同じな考えの人は多いのではないでしょうか。皆のんびり今まで通りに暮らして居ます。

驚いたのはリヴェール教授夫妻や、大学の理事長や、学長達も上の役員達が、皆外の家での暮らしをしている事でした。

この緊急事態を機会に、本当に噂通りに実権は3～40歳台の人達に引き継ぐつもりの様です。

そう言う訳で、今日ものんびりとシャノアールの店でお喋りして、Mrs.SugarはCafeに寄って適当に帰るつもりです。

ローズさんも色気ムンムンな人ですが、どうやら必ず一人くらいは、そのような人が居るようですが、ローズさんの場合は、嫌味がないのは、きっと賢い？性格が良いのでしょうね。

同性が眉を顰めるほどの事はやりません。
暖冬なので、穏やかで全く危機感など感じないのが、大気汚染の恐ろしい所なのでしょうね。