『２０１５年・すっかり秋も深まって！』

順調に時が流れて、セージ君の一人暮らしや、新学年の雰囲気にも慣れイリス君と一緒になるゼミもいくつか出てきました。海外からの講習生受け入れコースももう直ぐ終わりになります。

提出物その他軽いテストもチョコチョコありましたので、一応終了したら、希望進路に進むか他の科に入るか、時には此処で又ふるい落とされて、進学は出来なくなる場合や、自ら辞退する場合も有る時です。

今日はたまたまセージ君の顔見知りの、ボート部の大学院生と出逢ったので、少しお喋りです。大学院生とセージ君が顔を合わせたのは、まだ受験前の事で、アルバイトの合間に彼方此方見学がてら散歩している時でした。

飛行場のずっとはずれに川があり、カッタークラブのクラブハウスがあったのを覗いた時に知り合いました。彼らの仲間が、筋肉痛になったので、セージ君がマッサージして治したのです。

その後、何度か練習を見に行って、大学を受ける話をしたきり、学年も違いますし、逢うことは無かった人達ですが、今日はバッタリ出会いました。入学できたことを知って、喜んでくれました。

以前、彼らからも試験の様子など聞いていたので、だてにふらふら散歩していた訳では、なかったようです。

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大学院生A《じゃぁ、あと一息で終わるな！君はきっと希望通りの道でやっていけるんじゃぁないかな？　よく理解できているし、しかし、そのまま医工学を卒業して、大学院へ入れるんじゃぁないかな。

１年目は皆一般教養と、語学の授業や選択科目が終わっただろう？２年目は何度か試験などの結果を見て、どれか専門に進んで、学んで３年目からは、ほぼ実習しながらの勉強になるんだよ。

大学院生B《他とは学び方が少々違うんだよ。君、エルダー君っていったよね。リニアをやりたいって言っていたけれど、多分此処で学び始めたら、そうだなぁ～エネルギー機器とかロボットなどの開発設計に加え、人工心臓・人工関節などの医療用機器、車椅子や電動ベッドなどの研究開発の対象が拡大すると思うぜ。

一番皆が必要としている分野だからな....。自然とそうなって行くんだよ。興味深くて面白い勉強だからね。

エルダー《そうかもしれないですよね。もう既に今、この数か月で感じていますよ。自由に飛び入りで、興味を持った研究会に参加したからね。そう言う所は緩くて、前もって申し混んで居なくても、教室に入れれば立ち見でも参加できるからね。此処を選んでよかったと思って居ますよ。

大学院生A《セージ君も入れてよかったな。この数年で大人っぽくなってきたなぁ～。スキップして、早くに受験したんだってね。

最初から医療工学科希望だったようだし、せっかく必要な事積み上げていくんだから、ちゃんとレベル達成目指して、大学院まで学ぶと良いよ。ドロップアウトなどするなよ。　じゃぁ又な！楽しんで勉強しろよ。

セージ《俺はまぁ偶然、医療工学を希望したんだけれど、イリスは何希望だったっけ？だいたい、単に俺が此処受けるし、メィスが生命医科学科に居たから、急に受験する事にしたんだろう？

お前ならどこに方向転換しても、学科や推薦状などは何処でも問題無いだろうからね。本当に成績だけは何時も、楽々トップクラスなんだよ。

イリス《まぁ、お前と同じに俺は大学さえ出ていれば、帰国したら名前だけでも家督を継ぐって言う事にはなっているんだけれどね。

でももう、あんまり問題はないんだよ。フランスの貴族と、結婚して居たりする人も結構いるからね。名前だけ一応あるっていうだけだよ。

俺よりもセージの国の方が、ルーツはシッカリ伝統的な物が残っているんだろう？

イリス《未だに女王陛下など、色々絶えず話題になっているだろう？他の国はそれ程話題には出ないけれどさ。

そんな古い家柄の長男が、今みたいにアルバイトしながら、学生暮らしなんて、よくOKされたよな？その方が驚きだよ。それもまだ続けているしね。

セージ《階級に関しては、ずっと言われるかもだけれど、本家のうちが変人扱いされていたからね。曽祖父の代から、好きな仕事をしているんだから、余程でない限りは、本人がきちんとしていたら問題無しだよ。

真面目に働いているんだからね。第一うちは男女関係なく、長子が後継ぎで、俺は４番目の子供だから、長男としての役目があるだけだよ。

今の時代、仰々しいセレモニーも無いからね。１５歳になったら、財産分与があるだけだよ。成人は１９歳？２０歳だったかな？

確か外での飲酒は２１歳からだったと思うけれど、もうパーティ等では１５～６歳から、アルコール飲んでいるしね。保護者が居たら、問題にはならないのさ。

イリス《じゃぁ、今はまだ未成年だけれど、お前はもう独立しているんだね？
自分の事は自分で決められるんだ。

そう言えば領地みたいなのを、持って居るっていっていたよな？

セージ《うん、だからここの大学の学費を払う様なら、自分で払えば良いんだよ。でも此処の大学は、それなりの勉強した結果を出したら、特待生で授業料は無料だし、研究費などの補助金が貰えるんだよ。

イリスは頭が良いんだから、何時も通りに暮らしていたら、希望通りのコースに進めるんじゃぁないのかい。後は卒業したら帰国するかだよね。

イリスだってもう、後を継いだんじゃぁないのかい？成人しているんだからさ。

イリス《まぁ、まだずっと先の話だよ。学生だからね。大学教授とかになれたら、良いよなぁ～。帰国して、国の大学に行ったにしてもさ、此処の大学出ていたら、誰にも文句言われないよな。

セージだって、相続したところが在るんだったら、そこへ移り住んで暮らしても良いんだろう？何だか一部の人達だけが、自分の土地で後は王室の物だったりするとかって以前聞いたよ。期間限定で、国に返すんだとかって...。

セージ《まぁ、そう言うので言えば、一応俺の所は自分の家の土地があって、皆が相続したし、長男の俺は自分で選んだ所を相続したんだけれどね。

後は、何処からも行くのに便利なように、土地の中央に墓地があるんだよ。だから、何かの時にはちゃんと管理しないとなんだ。

俺はなるべくここに暮らしたいから、連絡がくるんだけれど、昔からのうちの弁護士に色々連絡して、仕事を代行してもらっているよ。

イリス《セージはかなり良く、やるべき仕事など知っているよなぁ～。長男って結局は色々な仕事が有るんだよね。それを考えたら、法学部とかに行った方がよかったのかもだけれどね。

俺なんて本当は、文系の方が合っているのかもしれないかもな。

セージ《俺は此処に来なかったとしても、文系には進まなかったと思うなぁ～。両親は何も言わなかったけれど、俺が遺跡調査の道にでも、進んで欲しかったんじゃぁないかと思っていたかもしれないね。

細かい作業が好きな者が向いているからね。そんな話していたらさ、SUGARMAMAが以前遺跡調査の、アルバイトした事あるって言っていたよ。

陶芸をやっていたので、バラバラになっている甕とかの復元作業をやったことあるんだってさ。凄い小さなかけらにも、ナンバーを筆で書き込んで、より分けて揃ったら、元の様にジグソーパズルみたいに、組み合わせて接着して作る作業だって！

結構面白かったそうだよ。

イリス《俺達の勉強する事も、結構細かい作業が付きまとう仕事を、やる事になるだろうな。俺はあんまり器用なほうじゃぁないからなぁ。

ちょっと心配だよ。お前は細かい事好きだからね。プラモデル良く作る時は、手伝ってもらったものだよな！今度は勉強だし、仕事となったら手伝ってもらったりは出来ないな。

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今日もその様な話をしたりして、セージ君はアルバイトへ行きました。イリス君は付いて行きたい気分ですが、セージはそれを好んでは居ないのがわかるので、家に帰る事にしました。秀才イリス君は語学やエッセイなどは苦手なので、勉強しなくてはなのです。

学生は最低３ヶ国語は完全に、授業を受けるのに困らない位の読み書きも必要なのです。３ヶ国何て言うのは本当に最低で、多くの人が５～６ヶ国語位は自由に使いこなして居ますし、イリス君クラスの秀才は当たり前に居る学校です。

　　　　　　　　　　　　　　storyteller🐑