『2015年初冬』リヴェール夫妻の構内案内です

今日はセージ君夫妻は大役を任されました。此処の国の最高TOP夫妻を、飛行機に乗るまでの間、構内を案内して、話し相手をしてお見送りするようにと言う役目です。

セージ君はリヴェール教授とは、何度か逢っていますが、凄く強いオーラのある人です。それでもセージ君は子供の時からパーティ等で、身分の高い人などと接しているので、それほど緊張はしていません。

しかし、その妻のDr.マリアンヌは気短、気難しいと噂の人なのです。日頃は病院の産婦人科のDr.マリアンヌですが、リヴェール教授の代理で、院長代理として大学病院を統括して居る人なのです。
何人もの夫婦が、接待などしていますが、緊張で２度と引き受けないのです。リヴェール教授の下で、仕事をしたい人が、集まってきているのですが、Dr.マリアンヌの事は、夫婦でと言う話になると、皆奥さんが引いてしまうようなのです。
そのようなわけで、若いとはいえ、夫婦になったセージ君達にお役目が回ってきたのです。

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Mrs.Sugar《ちょっと早く来てしまったわね。私英語もフランス語も、酷いんだけれど、しょうがないわね。
彼らが日本語が判らないんですから！セージは教授には逢っているのよね。

セージ《あぁ、凄く貫禄がある人なんだけれど、話するとそうでもなくて、良い人だったよ。俺のリハビリレギンスと、まだ中途半端なヘルスメーター付きブレスレットが気に入ったから、開発研究を進めるように、チームを作ってくれた人なんだ。

リヴェール教授《こんにちわ。待たせてしまったかな？セージ君はしばらくぶりだね。

セージ《あっ、こんにちわ。お久しぶりです。こちらが妻のSugarです。

Dr.マリアンヌ《あらっ、日本人の女性と、凄い年の差婚をした学生が居るって聴いたのは、あなたの事だったのね。
逢ってみたかったのよ。今日は逢えてラッキーだったわ。

Mrs.Sugar《初めまして、あんまり語学は得意ではないのですが、普通に話せ
る範囲で、話をさせていただきます。

もし失礼な事を言いましたら、ごめんなさいませね。日本語はお話になりませんよね？

リヴェール教授《Mrs.Sugar申し訳ない、僕も妻も日本語は話せないのですよ。日本人の方と、親しく話した経験も僕は少ないのです。

妻もほとんどないのでは無いかと思います。マナーが僕たちとは、かなり違う国だとの認識はありますが、こちらこそ失礼があったら、許してください。

セージ《では、失礼はお互いさまという事で、構内巡りで散歩しながら話しましょうか？

リヴェール教授《君とはゆっくり話してみたいと思っていたから、今日は
一番若い学生夫婦が、相手をしてくれると聞いて、楽しみにしていたんだよ。

僕はね、若い人と話をするのが大好きなんだよ。子供が居ないからね。たまに話し相手してもらう時があるんだけれど、やっぱり元気がもらえるからね。

君の研究開発品は、暮らしの身近にあるものが多いようだから、短期で商品化出来るくらい、完成もしているからね。
急だったけれど、もうプロジェクトチーム作ってしまったんだよ。責任者はとりあえずは居ないと格好がつかないから、やはりまだ若いんだけれど、外科のターナー君に頼んだんだよ。

教室は順々にそろえていくからね。とりあえずは仮の教室で、やっていてください。ちょうど何時も常駐している診療所わきの、物入の部屋を開けてそこを教室にしたんだけれどね。

セージ《はい、もうみんなご機嫌で使っています。少人数ですし、こじんまりしていて結構落ち着きます。飛び入りのチームメィトも入ってきました。

Dr.マリアンヌ《あなた、Mrs.Sugarは、此処では一人だけの東洋系の国民なのよね。色々日本人の話は、周囲から聞いていますけれど、一人で寂しくありませんか？

大概はグループで集まって行動している東洋人は、日本人だって聞いていましたけれど、あなた一人で移民してきたのよね？

Mrs.Sugar《はい、今は観光で知人が来ているんですけれど、私は全然寂しく無
いんですよ。入国手続きの時の待ち時間に、今も仲良くしていますけれど、隣り合ったフランス人とお喋りしていて、仲良くなったんですよ。妙に気が合ってしまって...。

Dr.マリアンヌ《語学はあまり得意ではないと聞きましたけれど、でもなんだか貴女は、とてもリラックスして、話しやすい雰囲気があるのね。
私もフランス人ですけれど...。フランス語は？

Mrs.Sugar《むふっ、若い時に1年くらい習いました。移民したい希望があった
ものですからね。フランスにではないのですが、ケベックに行こうと思っていたので、フランス語の勉強していたんです。

Dr.マリアンヌ《まぁ、それで移民はしなかったのね？又ケベックにって特別な何かが有ったのかしら？

Mrs.Sugar《野生動物の保護活動に興味があったので、実際はエドワード・アイランド大学の生物学がおすすめだったんですけれど、美しい街で治安もよいケベックに行きたかったんです。公用語はフランス語だったので...。

セージ《えっ、そんなに、どんどん進めてしまっても良いんですか？そうな
ら、嬉しいんですけれどね。まだ授業も受けている身ですから、限りは有るんですけれど、あまり勝手なことやってもって思っていたんですよ。

リヴェール教授《全然かまわないんだよ。失敗も有りだしね。予算が足りない時は責任者に言って、出してもらいなさい。

代わりに、此処の国では研究員や職員は、年俸が安いんですよ。代わりに研究費や欲しい本などは、出来るだけ不自由しないようにしているんだよ。

出来上がったものは、此処の大学の名前で特許取りますからね。レンタルにするのが多いんですよ。上下関係も無しで、いくらでもディスカッションしても、良しだよ。

此処の職員や研究員になった学生は、学費はすべて無料だからね。ドロップアウトした
学生は、高額な入学金や学費は返金無しで支払わないとならないけれどね・笑

Dr.マリアンヌ《リヴェール、今日は初めて楽しくお話ししましたよ。私ここへ来るのが、楽しみになりましたわ。
今後は休憩時間には、Sugarの居るCafeにお茶のみに行って、お喋り楽しめそうだわ♪

Mrs.Sugar《全然お構いしないCafeですよ。それでよろしかったら、何時でも
いらしてください。

リヴェール教授《それは良かった。良い人に巡り合えて、仕事も楽しく出来るでしょう。それでは僕が、適当にこちらに帰ってくれば良いように、この国に部屋を用意すれば、君もゆっくり自宅でくつろげるでしょう？

セージ《２人とも忙しいから、すれ違いが多くなってしまうでしょう？何時も新鮮気分かもですが...。

リヴェール教授《僕たちも若い時に、学生結婚したから、一時は疎遠になりそうになったこともあるんですよ。

でも、話し合って何があっても週末は２人で１日のんびり過ごす事にして、乗り越えてきたんですよ。口で「愛してる」というのは簡単ですからね。

やはり離れているのは、良くないですよ。そのうち君達にも判ると思いますよ。

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そんな話をしているうちに、搭乗時間がやってきました。Dr.マリアンヌはにこにこ顔で出かけていきました。

これからはこの国に滞在して、暮らすようにする様です。ベースが有ればリヴェール教授も、自分都合だけで、プライベートジェットを使って、行き来するようにする事にしたようです。
ちょっと毎日の通勤時間には、遠いかな？と言うくらいのフライトですから、夫婦で過ごす時間を増やせるように考えるようです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　storyteller🐑