移民１１年目の思い出話

何と今日で、この国に移民して１１年目です。MrsSugarは小さなCafeを経営すると言う予定で、移民審査に通って、移民してきた日です。

第１回目の移民です。手続きはよくある海外有る有るで、のんびりやっているので、結
構暇な時間がありました。
移民登録の時インフォメーションに伝えて置いて、混みあっている待合室からでて、外で日向ぼっこしながら、Mmeシャノアールから声を掛けられたMrsSugarはお喋りしながら待ったのです。

MrsSugarも今ではすっかりこの国時間ですが、当時は海外暮らしで解ってはいましたが、そののんびりさ加減は退屈な時間です。日本の病院の待ち時間と同じですね。

手続きが済んだ後は３日程、センターポイントのホテルに泊まって、自分の家の物件探しだったのです。偶然決めた家は、Mmeシャノアールの家の直ぐ近くでしたので、行き来するようになりました。
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Mmeシャノアール《何度も言ってしまうけれど、もう１１年経ったなんて嘘みたいだねぇ。変わらず有るのはこのストーブと、今はうちの店にあるあの自転車だね。

MrsSugar 《見た目はスマートでは無いけれど、凄い丈夫よねぇ。自転車はセージがアルバイトで来た時良く乗っていたいたけれど“危ないから飛ばしたら駄目よ”って言うと、返事は良いんだけれど、結構飛ばして乗って居た様だったわ。

セージ 《そんな事無いよ。安全運転していたよ。イリスも“アルバイトやりたい”って言ってきてからは、帰り道に２人乗りはしたけれどね。
だって、あいつ“後ろに乗りたい”って言うからさぁ。でも自転車に乗っている人なんて、誰も居ないし、人もあまり居ないからね。

自分で何処かにぶつけて転ばない限り、事故も無いよ。今も変わらずだね。

MrsSugar 《今度はサイクリングコースが出来たら、楽しめるじゃぁない？ロードバイクだから“スピードは余り出しちゃぁ駄目よ！”とは言わないけれど、まぁ気を付けてね。
腕の良い外科チームが居るけれど！もう、彼らに心配かけたらだめよ。

セージ 《ターナー先輩達？俺又検体になったりして？Ahahaha、、、上段だよ。俺はちゃんとSugarを看取るまで元気で居るからね。

Nanくらいまで長生きしてくれたら、後は俺は一人残されても、多分友達が居るから、寂しくても我慢できると思うんだ。　俺もかなり歳取っているからね。

Mmeシャノアール《さぁ、そうであって欲しいもんだよね。ま、ジャンやセルフィーユに、セージの事見守ってくれるように言っておくよ。
私は多分もうこの世にはいないだろうからね。ルナルはどうか判らない微妙な年齢だろ
うし！

セージ 《何だよ。俺の事そう言って馬鹿にしているんだな。第一Sugarは此処に移民してからは、アレルギーは出なくなったそうだし、事故がらみの肺炎はなったけれどいわゆる病気はしていないんだから、きっと長生きするよ。

ま、それ以前に今の感じだと、何があるか解らないんだけれどね。Sugarは日本に居なくてラッキーだと思うよ。放射能汚染問題も、皆平気なのかなぁ。
此方のニュースで原発の水を夏くらいまでに海に排出する予定って観たよ。チェルノブイリだって、まだ駄目だって言っているのに、まだ１０年くらいだろう？

本国の人があまり問題にしていないみたいだけれど、心配になってしまうよ。だって海は世界中繋がっているんだよ。

MrsSugar 《日本はね。素晴らしい文化や芸術がある国なんだけれど、ほんの一部の人しか、大事にしていないのよ。だから離れて見ていると、素晴らしい国だと思うのよ。懐かしくも思うしね。

でも暮らしていると残念感が多くってね。あの芸術や匠の技を学校の授業で、選択科
目でも良いから、教えると良いのにと思うわ。
大学に入るための受験勉強ばかりでね。勉強の意味合いが違うのよ。

セージ 《ま、何処でも問題は有るんだろうけれどね。苛めも有るし...此処の国は特別なんだよ。こんな良い環境の国は無いよ。

此処を選んだ人たちは、素晴らしい思考力のある人たちだよ。何が一番大事なのか理
解出来ているからね。　俺の動機はそれからすると、不純だけれどね。
でも、此処の国を選んだから、Sugarと結婚出来たんだと思うよ。最初は知った人からチラッと見られたりしたけれど、でも言わなければSugarの年齢は皆知らないだろう？

俺が若く見えると言う事と、歳が離れている日本人と結婚したって言うので、やっぱり時々チラッと見ても、後は只の普通のカップル、夫婦だと言うだけで終わったからね。

Mmeシャノアール《セージが若く見えるって言うより、本当にどう見ても年齢道理にティーンって感じだし、Sugarの年齢不詳日本人でも、セージとは結構歳上だからねぇ。
一般的野次馬根性で見たら、Cafeのオーナーがアルバイトの若い男を、色仕掛けでた
らし込んだって思うよね。そうは思っても、Sugarはセクシャルな雰囲気の熟女には見えないしねぇ。余計に興味は持たれたかもね。

冷静に見ても、幾らポーカーフェースで居るつもりでも、夢中になって居るのはセージって見えるからね。

MrsSugar 《あらっ、セージ可哀そう！イメージダウンだったわね。でもごく最近までは外ではあんまりくっ付いてくる事も無かったのにね。

今は必ず出逢ったり、一緒に居る時はくっ付いてくるのよね。冬は暖かくて良いんだけれどね。ま、私も慣れたから、外では別にセージがしたい様にお任せだわ。

Mmeシャノアール《でも、最近はセージも落ち着いて来た感じで、良かったじゃぁないか。今迄は結構お預けが多かったんだろう？Sugarが家では、夫婦らしくしてくれていても、変な所セージは本心は別として、紳士的で我慢強いだろうからね。

最近はきっと満たされて来たのか、余裕が出てきた感じがするからねぇ。

セージ 《何だよ。今日は記念すべき１１年目だって言うのに、俺の事いたぶる会になって居るんじゃぁないか...。どうせ、１１年前は俺は此処には居なかったんだよな。

MrsSugar 《面白いわよね。１１年前って私達はもっと体力も有って、女盛りの熟女だったのに、セージは１２～３歳で、水泳大会に向けて特訓が始まった頃じゃぁない？
そう思うと、男女の仲って不思議よねぇ。その後告白された時だって、何だって私も雰囲気で“今ならOKよ”なんて言ったのかしら？

そこそこ、仲の良い相手だったし、付き合う位は良いって思う元気があった、最後の女性的感覚が有ったのね。日本だったら有り得ない事だわ。

ま、最近は変わって来たかもですけれど、絶対にずっと言われ続けられるわ。西欧は何
歳になっても、男と女の愛情ファーストですものね。

セージ 《あのさ、本当の事だけれど、俺は歳の事は考えないで欲しいんだ。だからって歳の差が縮まる訳ではないんだけれど...。それを考えると、悲しくなるんだ。

“何でもっと早く生まれなかったんだろう”ってね。俺が生まれるずっと前に、Sugarは結婚生活は終わっていたんだけれど、でも好きな人とかいたんじゃぁなかったかなぁ？とか...I don't like to have suspicion.

MrsSugar 《まるでPresleyの歌じゃない。Suspicion torments my heart.Suspicion keeps us apart.Suspicion why torture me～♪ってね。
セージは知らないかもしれないけれど、アメリカの「king of Rock」って言われた人の歌なのよ私が子供の時に人気があった歌手なのよ。

セージ 《そうだよ。悪かったね。俺だってその歌手の名前は知っているよ。Sugarは子供だった割には、歌詞知っているなんて、ませていたんだね。

MrsSugar 《自慢じゃぁ無いけれど、気に入った所だけ歌詞は覚えたのよ。そんな曲は沢山有るわよ。でも、意味は全く知らないで、耳に入った所だけ覚えたんだけれど発音はその方が通じて英語になって居るって、昔知り合いのカナダ人に言われたわ。Ahaha、、、、。
って、何の話していたんでしたっけ？

Mmeシャノアール《まったく、呆れたねぇ。人の事言えないけれどさ。直ぐに話が脱線するんだからね。私達が此処に入国した頃、セージはまだ水泳大会に出場するために、トレーニング始めた頃だって話だっただろう？

MrsSugar 《そうそう、凄い歳の差だって事だけれど、不思議と人が何と言おうと年々あんまり歳の差があるって、感じなくなっているのよね。

セージはどんどん私の夫になっていく気がしてきて、とても頼りになるし、一緒に居るのが当たり前な人になったわ。
相変わらず私は英語は上手にはならないけれど、日本語の方言聞いているよりも、この国の人やセージと話している方が、意味が通じているわ。

セージ 《そうだね。俺の国だって、場所に寄って言語は随分違うからね。Sugarの言いたい事は、初めて逢った時からよく判ったんだよ。

だから、楽しく色々話したんだよ。ミントが家に帰ってから呆れていてさ、まだ夏休みは始まったばかりで“時間が有るなら、Cafeの手伝いしていかない？早くに帰国するのは誰かデートする相手でも出来たの？”って言うからさ。

ただ、グライダーに乗る為だけだったから、手伝って行く事にしたんだよ。だって、確かに言われたらSugarと仕事の手が空いた時に話をするのが、とても楽しかったんだ。

MrsSugar 《何の話したのか覚えていないような話だったと思うわ。でも男手があるなら倉庫の整理やその他手伝ってもらうと助かる事は有ったのよね。

いつの間にか長期休みの時は来てくれるようになって、ミントは飽きれて居たわ。“ど
うせ暇なんでしょうから、手伝わせると良いわ”って言うので、大学に行くと言うから学費稼ぎのアルバイト学生と思って、着てもらっていたのよ。

そうしたら、此処の大学に入学するって言うし、勉強と両立するのは大変な事だったは
ずの、勉強が大変な大学だったみたいなのよね。

Mmeシャノアール《セージは見た目よりも、頭が良くて優秀な学生だって話だったからねぇ。私達だけが、呑気そうに見えるから、色々からかったり、玩具にしていたけれどね。だって、何時も楽しそうだったしねぇ。

セージ 《うん、凄く楽しかったよ。勉強はアルバイトの時間以外はぎっしりで、寝る時間だけだったよ。超充実だったね。
凄く懐かしいし、夢の中みたいな時だったよ。Sugarと知り合って８年経ったんだね。

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こうして、ストーブの前で温まりながら、お茶飲んだりお喋りしたりが、とても楽しい時間です。もう移民して１１年、知り合って８年の時が経つと、思い出が溜まってきて最初の頃は、懐かしい思い出になって居るのも、不思議な気持ちになる時もあります。

特にストーブの燃える炎を見ると、猶更ひとりで居ても思い出に浸ってしまうのです。セージ君などは、何も無い暮らしから、MrsSugarと付き合う様になってからは、急激に凝縮して夢が叶ったり、だからこそのとても辛い数年を送ったり、勉強などでは、努力もしましたが、想像以上に良い結果が出たのです。

幼い時の、祖父の厳しい躾け期間を、幼いながらも耐え抜いた経験が有ったから、乗り
超えられたと思うのです。

そんな事や他の思い出話もストーブの前だから、しみじみと話す事が出来た様です。この先の１１年は新しく生まれ変わったこの国も、今の世界情勢を見ると、どうなる事かですが、きっと厳しい状況になるでしょうが、この国の人達は、しっかりスクラム組んで暮らしていくのではないでしょうか...。

既に数年前から、食糧難対策や節電やのエコロジー暮らしが、普通の暮らしになって居ます。

                      　　　　 Storyteller@Sugar